2013 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT法を用いた揮発性有機化合物による汚染地盤の浄化機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
24760382
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
椋木 俊文 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (30423651)
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Keywords | X線CT画像解析 / 地盤浄化 / 油汚染 |
Research Abstract |
本研究の目的は,マイクロX線CTスキャナ(以下、MXCTと呼ぶ)を用いて高温空気圧入に伴う孔隙スケールにおけるLNAPLの流動及び揮発現象を可視化し、高温空気圧入に伴うLNAPL汚染砂地盤の浄化機構を解明することである.H24年度にMXCT撮影用の一次元流動実験装置と得られたCT画像を定量的に評価する画像解析手法を開発した.本研究では,一次元流動実験装置を高温空気の圧入ができるよう改良を行った.この装置を用いて,LNAPL汚染地盤を想定した供試体に対して異なる温度の空気圧入実験を実施し、その供試体のX線CT撮影を実施し、供試体中に残存するLNAPLの残留分布を定量評価する.また、得られたCT画像を用いて有限要素法による熱‐非圧縮流体の熱流動に関する連成流動解析を実施し、孔隙スケールにおける伝熱特性の評価を行った.本研究では孔隙スケールにおける高温空気圧入に伴うLNAPLの流動及び揮発現象を解明するため、MXCTを用いた高温空気圧入実験を実施、評価を行った.また、得られたCT画像を用いて有限要素法による温度‐熱の連成流動解析を実施し、孔隙スケールにおける伝熱特性の評価を行った. 以下にその結論を列挙する. 高温空気の圧入により空気圧入時における注入圧力は低下し、LNAPL回収量は増加し、NAPLの流動性及び揮発性が高まり、Moved LNAPLが多く発生した.空気圧入で生じるRetrapped LNAPLは空気が高温であっても54μm以下の径に発生し、LNAPL浄化を妨げている.最終ステップにおける空気圧入では高温空気を圧入しLNAPLの揮発性を高めることでRetrapped LNAPLの割合を低下させ、浄化効率を高めることができた.数値解析により孔隙スケールにおける伝熱現象は土粒子を介して起きており、土粒子、LNAPL、間隙空気の順に熱が伝播していくことが分かった。
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