2013 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブ有限要素法を採用した高解像度瀬戸内海流動モデルの開発
Project/Area Number |
24760396
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
李 漢洙 広島大学, 国際協力研究科, 助教 (10535082)
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Keywords | 津波 / 南海トラフ / 東海・東南海・南海連動地震 / 潮汐 / 津波・潮汐の相互作用 / 瀬戸内海 / 適合格子細分化 |
Research Abstract |
本若手研究Bは、適合格子細分化法を用い、多くの島々が散在している瀬戸内海における流動場計算効率と精度の向上を図るともに、瀬戸内海の沿岸環境保全や沿岸活動のための基本情報としての3次元流動場を再現し、情報公開を目指すものである。具体的な実施内容は、1)瀬戸内海における想定Mw9.0の東海・東南海・南海連動地震による巨大津波の伝播シミュレーションを行う。その際、瀬戸内海の沿岸環境を支配する重要な要素である潮流との相互作用を考慮した津波の伝播挙動を定量的に把握する。さらに、1)に続き、2)瀬戸内海の3次元の高解像度流動場のシミュレーションを行う。その際には、有限要素法による詳細な島々や海岸線の再現、表面からの運動量・熱・淡水フラックスや河川流量、海洋からの流入・流出量などの境界条件を考慮し、精度向上を図る、ものである。 津波・潮汐の相互作用研究とその計算結果からは、瀬戸内海での潮汐を考慮した場合、瀬戸内海を構成している灘ごと、最大津波高さと津波到達時間における差が明らかになった。この研究成果は、現在Journal of Geophysical Research: Oceansに掲載予定である。さらに、この研究成果からは社会貢献のため、潮流位相別津波危険性を表す「潮汐位相別瀬戸内海巨大津波災害マップ」の作成を進める。
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