2013 Fiscal Year Research-status Report
河川洪水時の土砂移動形態の解明とその工学技術への応用
Project/Area Number |
24760402
|
Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
萬矢 敦啓 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (00314740)
|
Keywords | 計測技術 / 粗度係数 / 河床変動 / ADCP / 河床高自動計測 / 音響測深器 |
Research Abstract |
本研究は河川工学・河川管理において最も基本的であるが,今だ解明されていない河川水の流れ易さ(以後粗度係数),洪水時の川底の様相(以後河床変動),川底を流れる土砂の移動形態(以後土砂動態)を計測により解明するとともに,その計測技術を確立するものである.これを実施するため,河床変動が激しい河川における対象観測地点において,電波式流速計を用いた河川水表面流速の自動観測,音響測深器を用いた河床高の自動計測,複数の水位計を用いた水面勾配の自動計測,ADCPを用いた観測を実施した. H25年度の成果を以下に列挙する.1) 昨年度に実運用をスタートした音響測深器を用いた河床高の自動観測のシステムに関して,インターネットでの遠隔操作を可能にするなど,24年度からさらに改良を加えた.2) 電波式流速計を用いた河川水表面流速の自動観測,複数の水位計を用いた水面勾配の自動計測,ADCPを用いた観測に関して,8月から10月にかけて,小規模から中規模出水を経験した.特に9月16日は台風18号による出水であり,1,000m3/sを超える規模の流量であった.3) これらの出水を記録することで,大きな河床変動を計測した.その一例は,洪水前,洪水中,洪水後の観測結果を比べると,洪水中に2m程度の河床低下があり,その後,1m近い堆積した.4) 河床粗度係数の変化状況に関して,これらのデータを用いて考察した.それによると,小規模河床波が存在するときに,特に大きな変動があることがわかった.5) 流れの抵抗に関して,過去の知見と観測結果を比較し,その適用性を議論した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は多くの観測結果を取得することができた.そこから得られた知見はこれまで得られていなかったものが多く,かつ,本研究の目的を達成するために大きく貢献した.これらのデータをさらに分析する必要がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であることから,観測体制を整え観測を実施すると共に,これまで蓄積された計測結果を基に,解析を進める.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
その他の執行率が低いことが主たる理由である.当初は論文の投稿費に当てるつもりであったが,それほど多くの論文を書くことができなかったため,これを使用することができなかった. 本年度は,当初の予定どおり論文の投稿費,数値計算のためのパソコンの購入を見込んでいる.
|