2014 Fiscal Year Annual Research Report
河川洪水時の土砂移動形態の解明とその工学技術への応用
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24760402
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
萬矢 敦啓 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (00314740)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 河床高自動観測 / 河床粗度係数の変化 / 河床変動 / 流量観測 / aDcpの活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年は、前年度と同様に現地における観測を実施した。またこれまで蓄積した観測結果を基に、総合的な検討を実施した。以下に特筆すべき点を列挙する。 1.劣悪条件における観測手法の確立:高濁度、高流速が発生する観測地点における観測手法を確立することが課題の一つである。このような条件はaDcpを始め、音波を用いた接触型計測器は得意とする流況ではない。このような状況下においてaDcp観測を実施したが、超音波の減衰が激しく、既往のアルゴリズムでは河床高を得ることができなかった。このために反射強度のプロファイラデータを活用することで、河床高を得ることができた。結果、洪水時に数m規模で発生する大きな河床変化をとらえることに成功した。 2.河床変動を考慮した流量の算出方法:本研究の最大の目標は、河床変化が大きい観測地点における流量値の算出方法である。通常、流量値を得るためには、平水時に測量した河床高と増水時に観測する水位と、そのときの流速を計測し、それらを用いて流量値を得る。ところが河床高が洪水時に大きく変化する場合、流量の算出に誤差が発生することになる。そのため河床高を予測しながら流量値を得る必要がある。本研究の成果として河川の表面から得られる情報である表面流速と水面勾配の二つの情報から、河床変動を考慮した流量算出方法を体系化した。ここでは土砂水理学の知見と観測結果を統合した。 3.可能最大洪水時における流量観測手法の提案:これらの知見と本研究費で検討した河床高自動観測手法を用いて、可能最大洪水時における流量観測手法を提案した。ここでは2.から得られた河床高予測手法、河床高自動観測から得られた結果と比較することで予測手法の妥当性を検証し、より正しい流量値を算出することになる。
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