2013 Fiscal Year Annual Research Report
都市鉱山開発のためのロバスト最適化に基づくリサイクルモデルに関する研究
Project/Area Number |
24760405
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大窪 和明 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50546744)
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Keywords | 静脈物流計画 / 社会基盤計画 |
Research Abstract |
本年度は,リサイクル産業として自発的な技術促進を促すために,リサイクル企業と自治体との入札市場において,ロバスト最適化手法の考え方を応用した契約形態を結ぶことが有効であることを示した.現在,多くの小型家電は,入札市場において自治体が企業を選び,契約を結ぶことによってリサイクルされている.本年度の研究では,まず不確実性がある状況下においては,リサイクルによって高い付加価値を生み出すが導入の固定費用が高い新技術を持つ企業が入札市場において選ばれにくいことを示した.このとき,ロバスト最適化手法で想定した将来の価格または回収量のシナリオを自治体が設定し,適切な補助金を企業に与えるという契約形態を導入することによって,新技術を持った企業が入札で選ばれやすくなることを示した.これにより,リサイクル産業として新技術の導入の促進が期待できるといえる. また,技術や施設の老朽化・陳腐化を考慮した上で,新たな施設に更新または廃止するタイミングを内生化した動的な混合整数計画問題を開発し,人口や処理技術など将来の変動要因に対する最適解の頑健性を調べた.具体的には,技術や施設の老朽化・陳腐化を,維持管理費用の増加として定量的に表し,廃止も含めた複数の技術から更新する技術を選択し,それらのタイミングを内生的に決定するモデルを開発した.提案したモデルの頑健性を調べるため,豊富なデータ蓄積を持つ日本の廃棄物処理施設に適用した.その結果,将来の人口変動や処理費用,割引率,計画期間等に対して,更新する施設の順番は頑健であり,10年程度の計画期間であれば,計画方針の策定のために充分な信頼性を持つことが示された.今後,小型家電のリサイクル技術や実績に関するデータが蓄積された場合に,この研究の方法論を用いることにより,リサイクル技術促進をふまえた計画方針を自治体が策定する上で有用な情報を提供することが期待される.
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