2012 Fiscal Year Research-status Report
モバイルマッピングスシステムを用いた速度特性の把握に関する研究
Project/Area Number |
24760420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石坂 哲宏 日本大学, 理工学部, 助教 (60453908)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モバイルマッピングシステム / 点群データ / 道路線形推定 |
Research Abstract |
本年度の成果として、モバイルマッピングシステム(以下、MMS)に掲載された3次元レーザースキャナによって得られた大量の点群データより、道路線形情報を抽出する方法を構築することができた。 具体的には、点群データは道路面だけでなく、植栽や道路周辺の構造物などのデータを含んでいるので、まず道路面を効率的に抽出する方法を構築した。点群データには、その位置情報だけでなく、レーザーの反射強度、色情報を含んでいる。取得した点群データから道路面と認識される部分の反射強度と色情報の特性を白線、コンクリート、アスファルト別に分析した。その結果、先行研究より点群データから、効果的に白線を抽出することができるようになった。次に、抽出した白線の点群データを基に道路線形の推定が可能であるかを検討した.比較する対象として道路構造令の規定値を使用したが横断勾配、縦断勾配、車線幅員に関しては規定値に近い値を得ることができた.この白線間を車線中心として視距の算出する方法を構築した。 点群データを活用して、見通し線上に何らかの構造物や植栽があると判定できるときは、見通しが通っていないとして、見通し可能な車線中心の視距を算出した。 本研究の意義として、本年度実施予定の速度に影響を及ぼす道路空間の閉塞感を指標として表すための、基礎的な点群データの解析手法を構築できたといえるので、これまでの既存研究で実施されていない点群データを活用した閉塞感の指標化に大きく貢献できる研究成果であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に対して、概ね順調に進展している。道路線形推定に関しては、推定の方法としては確実性の高い推計方法を構築できたといえる。 今年度の課題として、推計した道路線形情報の確からしさをより詳細に検証することが、研究の進展に伴い課題としてあげられるようになった。今年度実施した道路の設計データとの比較に加えて、道路線形を測量して、比較検討する必要があるといえる。しかし、本年度に予定している道路の閉塞感を表現することにおいて、ドライバーの認知の限界から、昨年度で構築した道路線形情報の精度で十分であるので、本研究の要求精度は担保は出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、以前より任意で行っている研究会(MMSを所有しているニコントリンブルなど)と研究成果の交換と点群データの処理技術の向上することを目指す。特に点群データは数ギガ・バイトに及ぶビックデータであるため、データマイニングに関する技術向上を図ることとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、当初予定していた車両の速度や横加速度等を計測できるプローブ機器を購入することを検討している。また、昨年度借用を予定していたアイマークレーコーダーは、本年度実施予定の走行実験と同時に用いることとする。 これらの機器を用いて、車両の走行軌跡・走行挙動を把握し、並行して推定を行う閉塞感と比較検討しながら、運転挙動特性、速度特性に関して明らかにしていく。特にアイマークレコーダーによるドライバーの視点を解析し、ドライバーの注視行動を合わせて検討していく。 昨年度実施したMMSによる市街地の道路でのデータ取得に加えて、本年度は郊外及び山間部でのデータ取得を予定している。走行実験と同じ区間で行い、昨年度構築した点群データの処理方法を適用して、視距及び閉塞感の推定を行うこととする。
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