2013 Fiscal Year Annual Research Report
広域無線センサネットワークを利用したバスロケーションシステムの開発と実証実験
Project/Area Number |
24760422
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
鈴木 秀和 名城大学, 理工学部, 助教 (50583803)
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Keywords | バスロケーションシステム / センサネットワーク / 位置情報 / 公共交通 |
Research Abstract |
平成25年度の研究実施計画に従って,(1)実証実験の実施に必要なシステム構築,(2)ネットワーク安定化のためのプロトコルのパラメータ調整,(3)太陽光発電による電源供給の検証,(4)実証実験によるデータ収集と解析を実施した. 愛知県日進市のバス路線の一部区間に構築済みの無線センサネットワークの規模を拡大し,迂回経路の構成が可能なメッシュ構成とした.コミュニティバスの車両に車載器を設置し,無線センサネットワークにより市役所内に設置した管理サーバに走行中のバス位置情報を収集する試験を実施した.約半年の期間に渡って実証実験を行い,データの収集および分析を行った結果,バス位置情報フレームの50~60%が管理サーバへ到達する前にロスしていることが確認できた.これは2.4GHz帯の周波数を用いているため,電波が走行車両などに反射して正常に転送できていないことが考えられる.ただし,バス停区間において1つでもフレームを受信できれば,バスの走行位置を表示することが可能で,70%以上はバスの位置を正確に表示できていることを確認した. センサネットワークを安定的に維持するために,センサノードのスリープ機能と間欠通信の実装を行った.その結果,単一電池2本を使用した場合,センサノードの稼働可能期間が1ヶ月から3ヶ月以上に延ばすことに成功した.また,太陽光発電システムを開発して大学内で1ヶ月間センサノードのバッテリ電圧を確認したところ,乾電池駆動では42.8%降下していたのに対して,太陽光発電システムでは電圧の降下が見られず,長期にわたって安定的に稼働する見通しを得ることができた. 以上から,本研究の目的である(1)無線センサネットワークによるバス位置情報収集システムの開発,(2)広域無線センサネットワークの構築とバスロケーションシステムの実証実験は達成でき,新たなバスロケーションシステムの可能性を示すことができた.
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