2013 Fiscal Year Annual Research Report
音情報と視覚情報を組み合わせたロービジョン者の歩行環境整備に関する研究
Project/Area Number |
24760425
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Research Institution | Hyogo Assistive Technology Research and Design Institute |
Principal Investigator |
大森 清博 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, その他部局等, 研究員 (90426536)
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Keywords | ロービジョン者 / 歩行支援 / 路面サイン / バリアフリー |
Research Abstract |
本研究の目的は、音声案内と路面サインを積極的に組み合わせたロービジョン者の歩行環境の整備方式構築である。平成25年度は次の2種類の実験を行った。 昨年度は、駅周辺に敷設した路面サインの誘導効果に関する歩行実験を行い、路面サインが可読性において有効であること、また晴眼者とロービジョン者の差異について検証した。これに対し、高齢者も視覚に不自由なことが多く、下の方を見ながら歩く傾向があることから路面サインが有効と考えられる。そこで、高齢者10名を被験者として昨年度と同様に改札口からバス停までの歩行実験を行った。実験の結果、路面サインは高齢者にとって可読性について有効であることが確かめられた。一方、昨年度実施した晴眼非高齢者に比べて注視する視野領域が中心に集中しているため、路面サインを発見するためにかなり近づかないと視覚的に気付きにくいことが示された。 次に、屋内に十字路を模擬したコースを設置し、交差点部に路面サインを敷設し、かつ、ある一方向から行き先案内を鳴動したときの誘導効果を検証した。案内内容は、スピーカ正面を0時としたクロックポジションによる方向提示と、路面サインに記載した番号を用いた方向提示を用いた。ロービジョン者15名による歩行実験の結果、侵入方向に対して正面にスピーカを設置した条件ではクロックポジションを用いたときのゴール到達率が最も高かったが、侵入方向に対して側面にスピーカを設置した条件では0時方向を間違う場合があることが示された。一方、路面サインに記載した番号を用いた方向提示は、スピーカ位置による影響が少なく、分岐サインの一部を判読できれば音声案内から並びを推定することができた。以上より、スピーカを進行方向の正面に設置しない場合に路面サインとの連動によって行き先案内に効果があることが示された。
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