2013 Fiscal Year Annual Research Report
下水処理水を利用したバイオエネルギー創生を目指した二酸化炭素資源化プロセスの開発
Project/Area Number |
24760428
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本多 了 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 助教 (40422456)
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Keywords | 微細藻類 / 下水処理水 / 栄養塩利用 / バイオマス |
Research Abstract |
Chlorella vulgaris NIES-2170, Botryococcus braunii NIES-836 に加えて, Anabaena variabillis NIES-23の3種の株のうち,最も増殖速度の大きかったChlorella vulgaris NIES-2170を種株として選定した。しかしながら,連続培養前のリアクター内でC培地による前培養の段階で増殖が著しく低下し,十分な藻類濃度が得られなかった。同培地を用いたフラスコでの培養においては十分な増殖が起こっており,原因として,光照射条件,培養温度のちがい(リアクター:35℃,フラスコ:25℃)が考えられた。また,バッチ培養実験にて,C.vulgarisが下水処理水を基質として増殖可能なことが確認された。 培養槽に浸透膜を浸漬した場合を想定して,藻類培養液の濃縮が正浸透膜ファウリングに与える影響を明らかにするため,セルローストリアセテート製の非対称正浸透(FO)膜を用いて,膜面配置が微細藻類による膜ファウリングに与える影響を調べた。C.vulgarisを生理食塩水に懸濁し,バッチ濃縮実験によって透過流束の変化と,物理洗浄・化学洗浄後の純水の透過流束の回復率をAL-FSモード(機能層が濃縮原液側)とAL-DSモード(機能層が駆動液側)とで比較した。その結果,初期ろ過抵抗はAL-FSモードの方が大きかったが,AL-DSモードの方がろ過抵抗の増加速度が大きく,20時間前後でAL-DSモードの方がろ過抵抗が大きくなった。AL-DSモードでは支持層が濃縮原液側に接していることが初期閉塞の早期進行に寄与していることが考えられた。一方,20数時間後以降は両モードのろ過抵抗の増加速度にちがいは見られず,ケーキ層形成による膜面特性よりもケーキ層表面の堆積と剥離がろ過抵抗変化の要因として卓越したことが示唆された。目詰まり後の膜洗浄においては,物理洗浄による不可逆目詰まりはAL-DSモードの方が大きかった。
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Research Products
(4 results)