2012 Fiscal Year Research-status Report
自転車利用者の意識構造の変革がもたらす環境負荷低減効果の定量化
Project/Area Number |
24760434
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Research Institution | Kobe Yamate University |
Principal Investigator |
和田 有朗 神戸山手大学, 現代社会学部, 講師 (00441410)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 調査研究 |
Research Abstract |
国内・海外の自転車利用促進策を調査し、各事例をもとに課題を抽出して、それぞれの課題に対応した事例策を考察し、整理した。 自転車利用者の意識構造を分析するためにアンケート調査に用いる質問紙の作成・設計を行った。質問紙を作成・設計するために関連資料・文献を収集して参考にした。心理学的因子には、意識、感情、行動意図、個人規範、社会規範等を取り上げ、研究代表者がすでに検討している仮説モデルに基づき、アンケートを設計(性別、年齢別、職業別、所得別)した。作成した質問紙を本調査の前に本学の学生を対象にアンケート調査(プレテスト)を行い、質問内容を分かりやすいものにし、回答しやすく信頼性のあるものにするため、指摘があった内容について修正を行った。プレテスト結果をもとに、作成した質問紙を用いて400人規模の利用者アンケート調査を実施した。調査は兵庫県神戸市の神戸ハーバーランド周辺および神戸市東部を流れる住吉川沿岸である。調査地域の周辺住民を対象に直接面談方式で行い、自転車を利用していない人の調査(訪問留め置き法)も行った。 アンケート調査結果のデータ整理を実施し、単純集計およびクロス集計を行い、全体把握を行った。次に、自転車利用者の環境負荷低減行動を支配する意識と行動の因子間の構造を解析し、多変量解析、因子分析を用いてモデル化を行った。多変量解析、因子分析では、モデル中の潜在変数間の関連性を定量的に表現し、その重要支配因子を考察・評価した。その結果を踏まえて、自転車利用の効果を構成する様々な属性間の相対的価値を因子分析および共分散構造解析により、解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
環境負荷低減施策構築のために自転車利用者の環境負荷低減行動を、アンケート調査を実施し、把握を行った。調査結果をもとに自転車利用者の環境負荷低減行動を支配する意識と行動の因子間の構造を解析し、多変量解析、因子分析を用いてモデル化を行った。その結果を踏まえて、自転車利用の効果を構成する様々な属性間の相対的価値を因子分析および共分散構造解析により、現在解析を継続的に行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
共分散構造解析の解析が終了次第、平成25年度の研究実施計画に挙げているように、自転車利用者の意識構造の変革がもたらす環境負荷低減効果の定量および自転車利用の施策提案に向けて研究を進めていく。 平成24年度の成果である自転車利用者の意識構造が環境配慮行動におよぼす影響をもとにして自転車利用者の増加について3ケース(①現況、②1割増加、③3割増加)を考える。 さらに、自転車利用者の意識の変革がどの程度行われると環境配慮行動がどのように変わるのかを4つのシナリオ(①現況、②環境配慮意識の人が少し増える、③環境配慮意識の人が中程度に増える、④環境配慮意識の人が大きく増える)を設定し、環境負荷低減効果をCO2排出量を指標にLCA (Life Cycle Assessment) により算定する。この場合、自転車利用により軽減されるCO2排出負荷量は通勤・通学、買い物、私用(用事)、交流等を対象とする。 12のケースの環境負荷量(CO2)を算出し、環境負荷低減効果について定量し、今後の自転車利用の意識変化が環境負荷低減におよぼす影響を考察する。これにより自転車利用者の意識構造の変革がもたらす環境負荷低減効果の定量および自転車利用の施策提案を行う。 さらに、自転車利用者の意識構造の変革がもたらす環境負荷低減効果の定量および自転車利用の施策提案について、得られた結果を取りまとめ、研究成果は学会発表、学会研究論文に発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
作業を依頼予定していた学生が無理になり新たな学生を確保できなかったため、作業に若干遅れがでたためである。物品費については購入予定の物を次年度にまわし、アンケートの解析用にパソコンや解析ソフト等を購入予定である。旅費については学内業務のため学会等へ予定より参加することができなかったため、今年度はできる限り参加する予定である。人件費・謝金については、学生を早急に確保し、作業を順次進めていく。その他については、論文を順次投稿していくことにより、論文投稿料や論文別刷り、研究成果の報告書の印刷費等に使用する。 物品費:721,418円、旅費:200,000円、人件費・謝金:450,000円、その他:170,000円
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