2012 Fiscal Year Research-status Report
プレストレスト鉄筋コンクリート造柱梁接合部の損傷評価モデルの構築
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24760445
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
楠原 文雄 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50361522)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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| Keywords | プレストレストコンクリート / プレストレスト鉄筋コンクリート / 柱梁曲げ強度比 / 接合部破壊 / 終局強度 / プレストレス率 |
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| Research Abstract |
プレストレストコンクリート（PC）及び鉄筋コンクリート（RC）との中間的な構造形式であるプレストレスト鉄筋コンクリート（PRC）造の柱梁接合部について，柱梁曲げ強度比が1に近い1/3スケールの平面十字型部分架構試験体4体を製作し，接合部及び梁の基本的な破壊性状を確認することを目的とした水平加力実験を行った。実験パラメータは柱と梁の曲げ強度の比，断面のプレストレスト量を示すプレストレス率，構造種別の組み合わせとした。
実験結果より，梁および柱にプレストレスを与えたPC及びPRC構造においても柱梁曲げ強度比が1.0の場合にはRC造の場合と同様に接合部に損傷が生じることが明らかになった。このうちプレストレス率0.77のPRC試験体では接合部に変形が集中し，部分架構の最大耐力は同断面の梁を有し梁曲げ破壊となった試験体のものより小さかった。ただし，同程度の引張鋼材量のRC試験体に比べると梁曲げ強度に対する耐力の低下量は小さかった。一方，プレストレス率1.0のPC試験体では接合部に損傷が生じたものの最終的には梁端のひび割れが拡大した。また，柱梁曲げ強度比を1.5程度としたPRC試験体は梁曲げ破壊となり，RC造と同様に柱と梁の曲げ強度の比を大きくすることで接合部の強度が増すことが確認された。従って，PRC造の架構においても架構が梁曲げ強度を発揮するためには柱の曲げ強度を梁の曲げ強度に対して大きくする必要があることが明らかにされた。
また，研究代表者らが提案するRC造の接合部の曲げ終局強度計算法をPRCおよびPC造に適用したところ，終局強度におよぼすプレストレス率の影響などは定性的には評価できることが確認されたが，全体的に計算値は実験値を過小評価した。RC造接合部の終局強度に関する理論の適用のためには特に終局時のPC鋼材の応力の仮定についてのさらなる検討が必要といえる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験体のPC鋼材のひずみの測定が不良となってしまったため，終局強度時のPC鋼材のひずみの大きさについての検討などが十分にできず，強度式の構築が不十分となってしまった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度の試験体ではPC鋼材に比較的コンクリートとの付着の性状がよい溝切型の異形PC鋼棒を用いたが，次年度では丸鋼の採用やアンボンドとすることなどでより付着性状が悪い場合の接合部の耐震性能を把握するための実験を行い，付着性状の影響について検討する予定としている。また，RC造の接合部の終局強度の理論を準用して他の因子がPCおよびPRC造の接合部に与える影響についてのスタディを行い，影響が大きいと推定される因子についてもあわせて実験パラメータとする予定である。
さらに，終局強度計算におけるPC鋼材の応力の仮定について検討をすすめ，終局強度の推定精度の向上をはかる。また，RC造については研究代表者らが提案済みの降伏時の接合部の変形の推定方法を拡張する形でPCおよびPRC造の接合部の変形についての推定方法を検討する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験体製作費の調整によりわずかに残額が生じている。次年度の試験体製作費とあわせて使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
