2013 Fiscal Year Annual Research Report
プレストレスト鉄筋コンクリート造柱梁接合部の損傷評価モデルの構築
Project/Area Number |
24760445
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠原 文雄 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50361522)
|
Keywords | プレストレストコンクリート / プレストレスト鉄筋コンクリート / 接合部破壊 / 柱梁強度比 / プレストレスト率 / 付着 / 終局強度 |
Research Abstract |
プレストレストコンクリート(PC)及び鉄筋コンクリート(RC)との中間的な構造形式であるプレストレスト鉄筋コンクリート(PRC)造の柱梁接合部について,柱梁曲げ強度比が1に近い平面十字型部分架構について接合部及び梁の基本的な破壊性状を確認することを目的とした水平加力実験を行った。実験パラメータは柱と梁の曲げ強度の比,断面のプレストレスト量を示すプレストレス率,断面内におけるPC鋼材の位置,PC鋼材の付着の有無および構造種別の組み合わせとした。 実験結果からは,軸力による拘束力があるPC及びPRC構造においても.柱梁曲げ強度比が1.0の場合にはRC造の場合と同様に接合部に損傷が生じることが明らかになった。普通鉄筋も併用されているPRC試験体では接合部に変形が集中し,部分架構の最大耐力は梁曲げ破壊となった試験体のものより小さかった。柱梁曲げ強度比を1.5程度としたPRC試験体は梁曲げ破壊となり,RC造と同様に柱と梁の曲げ強度の比を大きくすることで接合部の強度が増すことが確認された。一方,PC鋼材の断面内の位置および付着の有無は部分架構の最大耐力にほとんど影響を与えなかった。普通鉄筋のないPC造の場合には接合部に損傷が発生したものの柱梁強度比1であっても最終的には梁端のひび割れが拡大した。 実験結果が示すように,PRC造の架構においても架構が梁曲げ強度を発揮するためには柱の曲げ強度を梁の曲げ強度に対して十分に大きくする必要があることが明らかにされた。柱と梁の曲げ強度の比を考慮できるRC造の接合部の曲げ終局強度計算法をPRCおよびPC造に適用したところ,適用にあたってはPC鋼材の引張力は等価な軸力として考慮すればよく,終局強度におよぼす柱梁曲げ強度比,プレストレス率の影響などは定性的には評価できることが確認された。
|
Research Products
(3 results)