2013 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学ノイズ法による鉄筋腐食メカニズムの把握と非破壊腐食診断手法の開発
Project/Area Number |
24760446
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福山 智子 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60587947)
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Keywords | 鉄筋腐食 / 維持管理 |
Research Abstract |
本研究は,実構造物の腐食診断に電気化学ノイズ(EN)法を適用し,コンクリート内部の鉄筋の腐食状態をモニタリング可能な技術の開発を目的としたものである。この研究では,EN測定値のフーリエ変換により天候や気温などの外的環境要因の影響を除去し,外部からの各種要因が腐食反応やコンクリートの物性に及ぼす影響を把握した上で,鉄筋の腐食機構とENの発生機構との関係性を明確にすることを目指した。しかし,研究を進める過程で,これらの外的要因と腐食反応の周波数が重なっており影響を除去することが困難であることが判明したため,それぞれのコンクリートに固有の物性である細孔特性に着目して研究を行うように方向を転換し,以下の成果を得た。 1.実構造物に対し交流インピーダンス法とコアサンプリングを適用し電気化学的特性値(3種)と細孔構造を代表する各種特性値(8種)を測定した。その後,細孔特性と電気化学的特性値の相関を重相関分析により検討し,コンクリートの電気化学的特性(特に静電容量)は,細孔径分布や比表面積分布といった細孔特性に影響を受けている可能性を指摘した。 2.1の結果をもとにコンクリートの細孔特性値を精査し,0.1μm未満の細孔の体積増分に対する比表面積の増分の関係(グラフの傾き)が細孔の形状に関する情報を示しているとして,コンクリートの周波数特性との相関を確認した。これは,材料の種類や含水状態が未知の場合であっても,コンクリートの細孔特性により電気化学特性がある程度説明可能であることを示している。
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Research Products
(7 results)