2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24760451
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松井 智哉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20402662)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 鋼コンクリート合成構造 / CES造柱梁接合部 / 繊維補強コンクリート / 静的加力実験 / EM解析 |
Research Abstract |
本研究では、鉄骨と繊維補強コンクリートのみで構成されるCES構造における柱梁接合部の設計手法を構築することを目的としている。H24年度はCES造柱梁接合部の構造因子が接合部のせん断強度に及ぼす影響を明らかにすることを課題として、CES造柱梁接合部(せん断破壊型)の構造実験およびシミュレーション解析による検討を行った。 構造実験においては、破壊形式、柱長さ(シアスパン)、柱の断面形状を実験変数とした試験体5体を用いて静的加力実験を実施し、それらの構造因子がCES造柱梁接合部の構造性能に及ぼす影響について明らかにした。得られた知見を以下に示す。柱梁接合部において、応力を負担するコンクリートの領域は大きく分けて、鉄骨フランジおよびスチフナによって拘束された領域(パネル1)、鉄骨フランジには囲まれていないが梁幅内にあり、周辺の柱および梁からの圧縮力により鉛直力および水平力が伝達される領域(パネル2)、梁幅外にあり柱からの圧縮力とパネル2から伝達される水平力により圧縮ストラットが形成される領域(パネル3)の3つが考えられ、本実験において、パネル2とパネル3の領域のコンクリートの損傷状況が異なることが明らかになり、言い換えれば、応力伝達状態が異なることが確認できた。また、今回の試験体では、柱シアスパンが接合部の変形性状に及ぼす影響は小さいことが確認できた。 さらに、シミュレーション解析においては、これまで提案してきたモデル化手法を用いたFEM解析により、水平荷重-水平変形関係を概ね模擬できる結果が得られ、モデル化手法の妥当性を検証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度は当初計画通りの各課題を円滑に進めることができた。実験における実験変数案の内、柱シアスパン、柱幅、破壊形式、接合部せん断余裕度を含めた構造実験を行い、それらの構造因子が破壊性状、強度特性および変形性能に及ぼす影響を把握することができた。また、FEM解析手法の妥当性も検証まで進め、FEM解析によるパラメトリック解析による応力伝達性状の分析も開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は、24年度に引き続きCES柱梁接合部の応力伝達性状の把握を目的として構造実験およびFEMによるパラメトリック解析を実施する。 シミュレーション解析により、接合部における鉄骨に囲まれた領域のコンクリートと鉄骨に囲まれていない領域のコンクリートでは応力度レベルが異なることを明らかにしている。その応力伝達性状を実験的に検証するために、柱梁接合部の鉄骨フランジおよびフランジ幅を実験変数とした構造実験を実施し、実験変数がCES造柱梁接合部の破壊性状、強度特性および変形性能におよぼす影響を把握する。 さらに、実験変数を補完したパラメトリック解析を実施しする。具体的な実験変数は、コンクリート強度、接合部鉄骨フランジおよびスチフナ(鉄骨に拘束されるコンクリート領域)、軸力などである。解析結果による分析から得られる応力伝達性状に基づき合理的なCES造柱梁接合部のせん断強度の推定式の提案につなげる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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