2012 Fiscal Year Research-status Report
鉄筋コンクリート造耐震壁の脚部せん断すべり破壊に関する基礎的研究
Project/Area Number |
24760464
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
谷 昌典 独立行政法人建築研究所, その他部局等, その他 (50533973)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐震壁 / せん断すべり / 変形性能 |
Research Abstract |
壁脚部でせん断すべり破壊する鉄筋コンクリート造(RC造)耐震壁の基礎データを得ることに主眼を置き、柱型の有無を実験変数とした2体の片持ち形式のRC造耐震壁試験体に対して、地震時の挙動を模擬した載荷実験を実施した。試験体の設計においては、せん断破壊に対して曲げ降伏が先行するように十分なせん断耐力を確保した上で、既往研究のせん断すべり耐力算定に関する提案法や実験結果を参考にしてせん断すべり破壊するよう試験体の諸元(せん断スパン、鉄筋量、軸力など)を決定するとともに、全断面積、主筋量、壁筋量を2体で等しくすることで曲げ圧縮部の断面形状以外の因子が脚部せん断すべり挙動に及ぼす影響を排除することを試みた。載荷実験では、柱型を有しない試験体で大変形時に壁端部拘束域が面外方向に座屈し、柱型を有する試験体に比べて早期に大幅な耐力低下を示した。しかし、いずれの試験体においてもせん断すべり破壊は発生せず、曲げ破壊より終局状態に至り、壁脚部のひび割れ面における壁板のスタブに対するすべり変位は最大でも全体変形の10~15%程度に留まった。また、試験体に使用した材料の実強度を用いて、試験体設計に用いた既往研究のせん断すべり耐力算定に関する提案法で再計算をしたところ、いずれの試験体でも曲げ耐力や実験時の最大耐力はせん断すべり耐力計算値を上回る結果となり、せん断すべり耐力の評価方法について更なる検証が必要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で予定していたRC造耐力壁に対する載荷実験を無事に終了し、当初の想定とは異なる破壊性状を示したものの、耐力壁脚部の挙動を含む実験データを得ることができた。また、せん断すべり耐力について、既往研究の提案式の予測精度の検証を行った。以上のことから、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
試験体が想定通りにせん断すべり破壊せず、せん断すべり破壊時の壁脚部の挙動については詳細な実験データが得られなかったが、実験を通して得られた壁脚部の挙動に関するデータに基づいて、既往のせん断すべり耐力の評価方法の妥当性の検証、予測精度改善について詳細な検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)