2013 Fiscal Year Annual Research Report
流体と熱交換を行う潜熱蓄熱材の蓄・放熱挙動推定式の提案
Project/Area Number |
24760468
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 浩司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40513536)
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Keywords | 潜熱蓄熱材 / 蓄熱量 / 近似解析 |
Research Abstract |
潜熱蓄熱材を用いた設備を設計する際、特定の潜熱蓄熱材の使用を想定し、その蓄熱量の時間変化は実験や数値計算で求めることが多い。しかし、任意の潜熱蓄熱材について蓄熱量の時間変化を推定できる式があると、潜熱蓄熱設備の設計に有用である。 本研究では、流体と熱交換を行う潜熱蓄熱材について、蓄熱量の時間変化を任意の潜熱蓄熱材の物性値に応じて推定できる式を提案することを目的とした。昨年度は潜熱蓄熱材の相変化温度が幅を持たない場合についての推定式を提案したが、現在用いられている潜熱蓄熱材の多くは相変化温度に幅を持つ。そこで、本年度は相変化温度が幅を持つ場合についての推定式を提案することを目的とした。 初期温度が一様で無限の深さを持ち相変化温度が幅を持たない潜熱蓄熱材の表面温度を任意の温度に瞬時に上昇させた後の潜熱蓄熱量と顕熱蓄熱量の時間変化は近似解析解が存在する。この近似解析解を利用する方法を考え、実験と数値計算による検討を通じて、次のことを明らかにした。 初期温度が一様で有限の深さを持ち相変化温度に幅を持つ潜熱蓄熱材の表面に温水を流した場合の蓄熱量の時間変化は、潜熱蓄熱材の表面温度を温水の流入温度に近似し、「潜熱蓄熱材のみかけの比熱をガウス分布に近似した低温側変曲点の温度を相変化温度とする近似解析解による顕熱蓄熱量」と、「相変化温度幅の中心温度を相変化温度とする近似解析解による潜熱蓄熱量」との和で近似的に表現できる。
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