2013 Fiscal Year Research-status Report
試験信号を必要としない建造物の健康状態モニタリング
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24760477
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
高橋 義典 東京都立産業技術高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30547732)
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Keywords | 音・振動環境 / 建造物診断 |
Research Abstract |
外部雑音を用いた構造物の診断では,雑音の周波数特性に埋もれた構造物の特性を表す伝達系の特徴分析が必要となる.しかし,非定常雑音では定常雑音に比べ自己相関分析による周期性の推定が困難である.平成25年度の研究では,三角窓によるスペクトル累積効果と,自己相関関数ピークの統計処理を用いて,非定常雑音振動から構造物の振動周期の推定を試みた.模型実験によって得られたインパルス応答と,非定常雑音を用いて,分析シミュレーションを実施した.本研究では,コーシー雑音とバースト雑音の2種類を非定常雑音として用いた.自己相関での評価には不向きなバースト雑音では観測信号の減衰部の累積スペクトル分析から構造物のモードパラメータを推定できることが示された.これらの研究成果について,学術論文誌に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通り,模型実験を通して,様々な環境雑音を想定した伝達系の特徴分析手法を検討した.実験及びシミュレーションは順調に実施され,研究成果についても論文が採録されている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで用いてきた実験模型のダンピング係数は実際の建造物の物よりも大きく,振動しにくい模型であった.今後,実用化を目指して研究を進める上で,どの程度のダンピング変化まで分析可能であるかを調査する必要がある.このことから,ダンピング係数が実際の建造物に近い模型を製作して,平成26年度以降のモニタリング試験を進める.同時に,実際の建造物の雑音振動も観測し,模型実験の妥当性を裏付ける分析結果を示す.実際の建造物の雑音振動の観測には,地震計等を購入する必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議への投稿・発表を計画していたが,論文投稿に変更したことで,外国旅費等を削減することができた.次年度以降で,分野のマッチする国際会議があれば発表する予定である. 分野のマッチする国際会議があれば,積極的に発表する予定である.また実際の構造物の雑音振動の観測も必要であることから,地震計等の購入も検討する.
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