2012 Fiscal Year Research-status Report
道路交通と鉄道による騒音と振動の複合影響に関する因果推論モデルの構築
Project/Area Number |
24760478
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
森原 崇 石川工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (10413767)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 建築環境工学 / 北陸新幹線 / 騒音 / 振動 / 社会調査 |
Research Abstract |
本研究は,交通機関による複合的な要因(騒音や振動)による居住環境への影響を評価できる因果推論モデルを構築することを目的としている。構築したモデルにより,なぜ騒音の不快感が高い/低いのかという評価の差異を生み出す原因を把握し,生活環境に影響する要因について定量的に把握することが狙いである。本年度は先に実施した北陸新幹線沿線の住宅を対象に行われた社会調査と騒音測定結果を踏まえて,振動暴露量の実測と推定を行った。近年の研究結果では騒音のアノイアンスには騒音暴露量だけでなく振動暴露量の影響も相乗効果として影響する可能性が示されている。ここで振動暴露量を把握しておくことは,モデルを構築する上でも必要不可欠であり,また将来の新幹線開通後に騒音だけでなく,振動の影響の変化も検討する事が可能となるため非常に重要である。 調査対象地域は道路や鉄道が混在する地域であるため,各振動源からの距離と地盤性状等でゾーン区分し,調査対象となる測定点を選定した。調査は本校学生に協力を得て行い,対象地域の鉄道からの振動と道路交通による振動の実測を行った。また,次年度の長野新幹線沿線の住宅を対象とした社会調査に向けて予備調査を行った。長野県で定期的に測定および報告されている測定場所を訪れ,運行の様子や周囲の住宅の様子を視察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北陸新幹線沿線の対象住宅のうち,振動に影響を受けそうな場所での測定を実施したが,追加測定を実施した方がよいと考えられる地域が一部残されている。実測した振動暴露量の結果から得られた距離毎の振動レベル推定や予備調査は順調に進んでおり,当初の計画通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は長野県において長野新幹線沿線の住宅を対象とした社会調査を行う。先の予備調査により大まかな調査対象地点を選定できたため,新幹線騒音の伝搬予測推定プログラムと住宅地図により,対象住宅の範囲をまず決定する。6,7月にアンケートを配布し,居住環境に関する評価を得て,夏から秋にかけてそれらをデータ化し,集計する予定である。また建築学会や騒音制御工学会(国内外)の報告会に参加し,最新の研究動向を把握するとともにこれまでの調査結果を報告する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の主な用途はアンケートを配布,回収するための費用に使われる。またアンケートデータは膨大であるため学生に協力を依頼し,その謝金も必要である。
|
Research Products
(1 results)