2013 Fiscal Year Research-status Report
道路交通と鉄道による騒音と振動の複合影響に関する因果推論モデルの構築
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24760478
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
森原 崇 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10413767)
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Keywords | 新幹線鉄道 / 騒音 / 振動 / 社会調査 / 曝露ー反応関係 |
Research Abstract |
本年度は長野新幹線沿線の戸建て住宅を対象に生活環境に関するアンケート調査および新幹線からの騒音と振動の実測調査を行った。現行の長野新幹線は2014年度に石川県金沢駅まで到達することが予定されており,ここで長野駅周辺の居住環境を調査することで,将来の金沢駅周辺の居住環境を想定したり,開通後に金沢駅周辺で調査すれば経年や地域の影響による居住環境について検討できると考えられる。 社会調査は648件に依頼し,294件(回収率45.4%)の回答を得た。属性で見れば,50代以上の回答が大半を占める結果となり,2007年の北陸での調査結果よりも高齢な回答者がやや多い結果であった。住宅の所有形態は97%が持ち家であり,延べ床面積は100㎡~200㎡が約7割を占める。住宅構造は木造が85%,鉄骨造が10%を占める結果となった。窓構造を築年数との関係で見れば,20年辺りを境に1枚ガラスから2重ガラスの割合が増加し,窓枠もアルミから樹脂への移行が見て取れた。また,住宅の満足度や地域の好ましさなどの評価は北陸の結果よりも満足側,良い側の回答割合が多いという結果であった。騒音と振動のアノイアンスはそれぞれ67dBから70dB(LAsmax),54dB(Lvz)を超えると10%以上の反応となることが示された。自由回答により,「騒音や振動にはだいぶ慣れたが,戸を開けるとほとんど音が聞こえない。」,「在来線の踏切の信号音がかなりうるさい。」,その他,公園の利用マナーや道路整備,バス等の公共交通に関する指摘が得られ,居住環境を良くするための方策を多角的な視点で今後は検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,長野駅周辺で居住環境に関する社会調査と騒音およぼ振動レベルの実測調査を実施できた。その成果は次年度の建築学会北陸支部および,騒音の公衆衛生に関する国際学会であるICBEN2014で報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
騒音と振動の複合影響について検討する為に必要な調査データは概ね収集できた。間に合えば最終年度に対象地区の騒音レベルの推定による暴露量を得て最終的な分析に取り組みたい。 今後は共分散構造分析をベースに得られた調査データを使って,本研究の目標である騒音と振動の複合影響を捉えるモデルを構築する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
詳細な分析を行っている状況であり,成果報告の投稿料と実際の調査を学生ではなく研究者自身と協力者により実施したため謝金が発生しなかったことが理由と考えている。 次は最終年度であるため,研究成果を投稿する準備としてデータ整理等の補助を依頼する予定であり,それに充てることを考えている。
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Research Products
(2 results)