2013 Fiscal Year Research-status Report
巨大津波後の火災に対する津波避難施設の安全性能評価と防火対策の立案に関する研究
Project/Area Number |
24760492
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西野 智研 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00609894)
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Keywords | 津波火災 / 津波避難ビル / 開口噴出火炎 / 開口噴出熱気流 / 上階延焼 / 火災安全設計 |
Research Abstract |
津波火災により類焼した津波避難ビルの上階延焼危険性を把握するための基礎実験を行った。 津波からの一時的な避難場所として,その重要性が指摘されている津波避難ビルでは,津波により流れ出た家屋や自動車が漂着し,何らかの要因により燃焼することで,建物の一部が火災に巻き込まれる可能性がある。津波避難ビルが類焼しても,瓦礫や海水に取り囲まれた状況では,屋外への避難は難しい。このため,屋内に侵入した火災をある範囲で区画化することで,避難者が安全に待機可能な階(以降では,避難安全階と呼ぶ)を確保する必要がある。これは,津波火災により下階で発生した火災を上階の避難安全階まで延焼させないことに等しい。上階延焼をもたらす主要な要因に,開口から外気に噴出する火炎・熱気流があるが,津波火災時のように,別の火災が屋外に存在する場合には,それにより形成される上昇気流の影響で,開口からの吹き出しは壁側に吹き流される可能性がある。加えて,複数の熱気流が合わさることで,高温領域そのものが拡大する可能性があるため,上階延焼の危険性はより高くなることが予想される。 本実験では,津波火災が津波避難ビルに漂着し建物の一室に類焼した状況を,原型の1/10 に相当する模型で表現することで,屋内と屋外の両火災によりもたらされる外壁付近の温度分布の測定,および,開口噴出火炎の観察を行い,基礎データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
津波火災が津波避難ビルに与える加害性状の予測モデル構築に向けて,そのための検証用データを一定程度整備することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
津波火災による津波避難拠点の被害を評価可能な計算モデルの開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
支出を予定していた国際会議旅費を他の財源から支出したため。 次年度の旅費にあてる。
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Research Products
(3 results)