2013 Fiscal Year Research-status Report
由布院盆地における土地利用の「掟」と空間づくりの「履歴」の把握
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24760495
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高尾 忠志 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 准教授 (20380579)
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Keywords | 土地利用 / 開発 / 災害 / 変容マネジメント |
Research Abstract |
本研究は、地域の持続可能性という観点からの地域資源や空間利用の評価、多様な主体が関わる地域の土地利用変容マネジメント、長期的視点に基づいた土地利用変容に対する評価・計画づくりと言った都市計画の課題に対して、由布院盆地を対象として、地域住民に伝わる土地利用の「掟」と地域住民や行政が進めてきた空間づくりの「履歴」を把握することを目的としている。平成24年度は、由布院盆地における土地利用の「掟」について、地名、開発、災害、地域資源、言い伝え等の観点からヒアリング調査や文献調査を行った。 平成25年度は、由布院盆地を対象として、空間づくりの「履歴」に関する調査を行った。ヒアリング等のフィールド調査によって、湯布院町および由布市がこれまで行ってきた環境整備、地域住民が主体的に行ってきた環境整備、その他地域住民による日常的な活動を把握した。そうした空間づくりの「履歴」から、由布院盆地の住民が地域の環境に対して主体的で高い意識を持ち、またそれが地域住民の間で、様々なコミュニティレベルで、多層的に共有されていることが明らかになった。また、湯布院町時代は、行政と住民の意識は、信頼性と対立が共存した「対立的信頼関係」(中谷健太郎)にあったが、平成の大合併後、そうした関係が希薄になってきている点も指摘された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に記載さいた平成24年度(由布院盆地における土地利用の「掟」の調査)、平成25年度(由布院盆地における空間づくりの「履歴」の調査)が概ね終了しており、当初の計画通りに研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は研究の最終年度となる。由布院盆地における土地利用の現行規制の現状把握を行った上で、これまでの二ヵ年の研究成果を踏まえて、由布院盆地の土地利用の現行規制の評価を行い、研究成果を取りまとめていくことを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2月より所属変更があったことにより、2~3月に予定していた地域の協力者に対する報告を延期しており、その旅費分を平成26年度の使用額としている。 平成25年度の研究成果を地域の協力者に報告する旅費として使用する予定である。
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