2012 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者の地域での居住継続を可能とする在宅復帰型老人保健施設に関する研究
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24760498
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 健二 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (30363609)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 老人保健施設 / 在宅復帰 / 要介護高齢者 |
Research Abstract |
団塊の世代の高齢化に伴い、「持続可能な財政と社会保障の構築」は焦眉の課題であり、費用対効果の点でも高齢者のQOLを高める点でも、要介護高齢者が重度化しても地域で生活できる地域包括ケアを構築し、「施設入所」から「在宅復帰」への受け皿を地域で整備していく事が求められている。このような状況の中で本研究が着目しているのが老人保健施設であり、1986年に在宅復帰を目指す施設として制度化され現在に至る。しかし介護保険開始後、在宅復帰よりも施設入所を重視した運営の施設が大幅に増加しており、地域・在宅よりも施設内の入所高齢者への対応を重視する傾向にある。その一方で2006年・2009年の介護報酬改定では老人保健施設の在宅復帰の取組みが高く評価される等、「在宅復帰」を重視した運営を後押ししようとの動きも見られるが、多くの老人保健施設では「在宅復帰」を重視した運営への転換に踏み切れないのが現状である。 そこで本研究では、在宅復帰を重視した運営を実践している老人保健施設の事例を対象に調査を実施する。そして①在宅復帰を重視した運営はどのようにして可能となるのか、施設側の運営実態を明らかにした上で、②在宅復帰後の要介護高齢者の在宅生活がどのようにして維持されているのか、利用者側の居住実態についても分析する。そして③在宅復帰を重視した施設運営への転換にはハード・ソフトの両面でどのような改善が必要となるのか、施設の系列的な変遷から明らかにした上で、④地域・在宅の要介護高齢者への生活支援を長期間・継続的に実施していく上での問題点とその意義を考察する。 平成24年度は主に「在宅復帰型老人保健施設の運営はどのようにして可能となっているのか?」との観点から、①②についての調査研究を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、当初の予定通り調査研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は主に「在宅復帰を重視した施設運営への転換にはハード・ソフトの両面でどのような改善が必要となるのか?」との観点から、研究対象施設であるI苑(三重県)の時系列的変遷に関する調査研究を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、現地でのヒアリング調査・資料収集を主体として調査研究を行う予定であるため、次年度の研究費の約75%を国内旅費が占める事になる。今後、研究を遂行する上での問題は特にない。
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Research Products
(1 results)