2012 Fiscal Year Research-status Report
インド・カティアワール地方における中世の都市構造とその現代的変容に関する調査研究
Project/Area Number |
24760503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
岡村 知明 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 共同研究員 (70583516)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インド / 中世都市 / グジャラート / マングロール / ヴェラヴァル / ソムナート・パタン / 都市組成 |
Research Abstract |
本研究は、インド土着の都市・居住文化とイスラームとの接触・共存の現代的変容を考察する事例研究として、中世期に形成されたカティアワール半島沿岸の港市を対象に、都市構造と集住単位、都市コミュニティーの住み分け、居住空間の構成に着目し、その居住特性と現代における変容プロセスを明らかにすることを目的とした。 具体的には、カティアワール半島沿岸にあるマングロールMangrol、ヴェラヴァルVeraval、ソムナート・パタンSomnath Patanでの臨地調査、ならびに英国における資料収集調査を計画し、本年度は主に英国において地図資料と文献資料の収集調査を行った。調査により、対象地域・都市に関する19世紀後半の都市形成史、都市形態、および14世紀以降の宗教施設、公共施設の分布といった都市の基本的構成を把握できた。これらを基礎資料とし、次年度以降のインドにおける臨地調査において、詳細な都市施設分布調査と住まい方調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、対象都市・地域の文献・地図資料収集調査に力を注いだ。時間的制約から予定していたインドでの臨地調査を実施できなかったが、対象都市については既に都市・建築に関する基礎的資料を収集済みであり、今回の英国調査で、既往研究で明らかにされてこなかった対象都市の形成史の概要が把握できたことは成果の一つである。 現在では、現地研究機関およびインド人研究者と連絡調整を行い、インド考古調査局 (A.S.I)をはじめ、現地大学期間との研究協力体制を整えつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の意義、枠組といった研究活動を、現地での都市建築分野研究および現住民へ還元することに努めたい。具体的には、研究対象地に関する都市建築調査を円滑に進め、さらに議論を深めるために、当地方の文化財建造物を管轄するインド考古調査局 (A.S.I)、グジャラート州に拠点を置く歴史研究組織(D.I.N)、アーメダバード環境計画工科大学(C.E.P.T)といった現地研究機関と連絡調整を継続的に行い、双方での研究協力体制を整え、本研究に関する現地側との議論および情報共有を通じ、現地での情報発信に努めたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はインドでの臨地調査を2回、またイギリスでの追加史料調査1回を予定している。臨地調査では、イスラーム圏の建築専門の研究者、およびウルドゥー語、グジャラート語といった史料翻訳・通訳に精通する社会政治学専門の研究協力者に調査協力を得るため、同行者の海外渡航費と研究協力謝金を予定する。 次年度使用額(繰越額)は、現地調査で得た建造物、地図資料を基に図版を作製するため、研究補助員を1名雇用する予定である。 年度末には、調査成果を日本建築学会あるいはオリエント学会へ論文投稿を行う予定で、審査論文投稿費を計上する予定である。
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Research Products
(3 results)