2014 Fiscal Year Annual Research Report
長期介護を行ったALS罹病者遺族における生活環境の再構築過程に関する研究
Project/Area Number |
24760510
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
亀屋 惠三子 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70462140)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ALS遺族 / 長期在宅介護 / 生活環境の再編 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は、成年期以降に大脳運動皮質錐体細胞から脊髄に至る上位運動ニューロンおよび下位運動ニューロンが選択的に障害される神経変性疾患であり、1972年に厚生省より難病に指定されたという経緯がある。このような非常に重い病気や障害を抱えるALS罹病者を、誰がどこで看るのかが近年では社会的な課題となっており、療養環境の整備が急務とされている。一方で、長期介護の末に罹病者を亡くした遺族に対する支援も必要になってきている。そこで本研究では、長期間・長時間に及ぶ在宅介護を行ったALS遺族を対象に、療養環境から生活環境へと再編していく過程や要点を明らかにすることを目的とし、以下の知見を得た。 ①療養を終えた遺族の7割が高齢であり、仕事に従事していないケースが多いこと、それによって生活時間の再編にも時間がかかり、介護時間が外出行為に取って代わっていること。②療養室はおよそ8畳の大きさであり、現在空室である場合が多いこと、それより家族が縮小していること、罹病者の逝去後の住まいの変遷では、復元・半復元・再構築・変化なしの4パターンに概ね分けられ、再構築を行う人が最も多いこと、その傾向は都市LDK型の住まいにやや顕著にみられたこと。③訪問看護師の8割が死亡後3か月以内に遺族訪問を行っており、全ての看護師が遺族ケアを「必要」と考えていること、今後遺族ケアを担うべき人として自身らを考えている人が4割もいるものの、「ボランティア的であり、診療点数がつかない」ことや「時間も人手も不足」していることがあり、手が回らないこと等が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)