2014 Fiscal Year Research-status Report
歴史的町並地区で多世代が同居近居により支え合う持続可能な居住環境整備に関する研究
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24760511
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
細田 智久 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40324496)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 近居同居 / 居住環境 / 歴史的町並地区 / 多世代居住事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
歴史的町並み地区として島根県安来市広瀬地区および母里地区を中心に、多世代居住意識に関する住民アンケート調査、町並み調査、多世代居住事例の具体的調査を進め、分析考察を実施している。 平成26年度は、広瀬地区と母里地区の住民アンケート調査結果の比較分析を進めるとともに、特に母里地区の町並み変化と多世代居住事例の具体的な分析を進めた。母里地区の町並み変化に大きな影響を与えた1993年の下水道整備、2000年の鳥取県西部地震と近年の町家改修年代との関係を確認することができた。多世代居住事例の分析から、家族構成の経年変化にともなう使い方の変化や建物の建て替え、世代ごとのプライバシー確保の方法などを詳細に分析することができた。 旧陣屋町で農業従事者もいる母里地区は、ある程度周囲に農地を所有し敷地に余裕がある。調査した多世代居住事例でも、家族構成の変化に対応しながら近年まで多世代居住を続けることができた要因の一つとして、隣接敷地を用いた段階的な建替え・改修が可能であったことが挙げられることなどを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、広瀬地区と母里地区の住民アンケート調査結果の比較分析を進めるとともに、特に母里地区の町並み変化と多世代居住事例の具体的な分析を進めることができた。これらの研究成果として、平成26年度中に下記に示す学会口頭発表などを複数回行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はこれまでに蓄積した調査結果をさらに詳細に比較分析を行う。同時に現在は、これまでの研究調査から得られた知見について、国際会議などの場で広く公表するための準備を行っているところである。 また、山陰地方の類似地区について新規調査も計画しており、これらの知見と合わせ、歴史的な町並み地区における多世代居住事例が、どのように家屋に工夫を施しながら多世代の暮らしを継続することができているのかという点を明らかにし、建築計画に関する多くの知見をまとめたい。
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