2015 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的町並地区で多世代が同居近居により支え合う持続可能な居住環境整備に関する研究
Project/Area Number |
24760511
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
細田 智久 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40324496)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 近居同居 / 居住環境 / 歴史的町並地区 / 多世代居住事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
歴史的町並地区として島根県安来市広瀬地区および母里地区を中心に、多世代居住意識に関する住民アンケート調査、町並調査、多世代居住事例の具体的調査を進め、分析考察を実施した。 最終年度の平成27年度は、これまでに実施した広瀬地区と母里地区の住民アンケート調査結果の比較分析を進めるとともに、両地区の多世代居住事例についての調査結果の分析も進め、比較分析結果のとりまとめと研究成果についての論文も発表した。 2つの地区住民の町並や多世代居住への意識を比較整理した結果、2地区は同市内にあることから共通した状況が多いが、町の形成に由来する商店の経営歴や駐車場の確保状況が異なる。また、少子高齢化の問題もあるが、地区の自然・歴史・町並への評価は高く、2地区ともに7割以上が今後も同居近居を希望し、多世代居住の一定の継続が期待できることが分かった。さらに、2つの地区はいずれも旧松江藩の支藩の拠点となった地区ではあるが、広瀬が旧城下町に近い形態であるのに比べて母里は旧陣屋町に近い形態であることから、母里では多世代居住のための段階的な建替えなどに都合の良い敷地的な余裕があることも分かった。 本年度は以上の考察結果をまとめ、世界工学会議World Engineering Conference and Convention 2015 (WECC2015)への国際会議論文として発表することができた。
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