2013 Fiscal Year Research-status Report
女性の生活空間としての江戸城本丸御殿大奥および大名屋敷にみる空間構成の実態と変遷
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24760517
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
服部 佐智子 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 東工大特別研究員 (20614126)
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| Keywords | 大名屋敷 / 江戸屋敷 / 加賀藩 / 女性 |
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| Research Abstract |
本研究は、大名屋敷における女性の生活空間の実態と空間的変遷を明らかにすることを通して、上層武家住宅の女性の生活空間の特質について新たな知見を提供することを目的にしている。
平成25年度は、多くの史料の所在が確認されている石川県において、金沢城および加賀藩に関する史料照会、史料収集、現存する金沢城関連施設の調査及び史料所蔵機関関係者との研究・調査打ち合わせを実施した。調査内容は、以下の通りである。
本年度の史料調査では、金沢市立玉川図書館近世史料館にて、前回撮影できなかった大型史料の撮影を行うことを中心に、この他前田土佐守家資料館、金沢大学附属図書館においても金沢城および加賀藩江戸藩邸の建築図面調査及び写真撮影によるデータ収集を2013年7月に実施した。
わずかであるが、全国に点在する金沢城、加賀藩江戸藩邸の各種絵図史料について、所在を確認し、取り寄せが可能なものについて、収集をおこなった。
また本年度は、収集した史料のうち、加賀藩江戸上屋敷に関する史料を中心に分析し、加賀藩江戸上屋敷における女性の生活空間における計画理念について一定の知見を得ると共に、前年度の研究と合わせ、加賀藩を事例とした上層武家住宅の女性の生活空間の特質に関する研究の見通しを見出せた。なお、上記の研究成果の一部は、2014年度日本建築学会大会学術講演梗概集等において報告している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料調査に関して、本年度は昨年度から引き続き、金沢市立玉川図書館近世史料館や金沢大学附属図書館にて、調査を実施したが、金沢城および加賀藩江戸屋敷の絵図のほか、工事記録や行事記録などの文書関連についても収集することができ、順調に進められているといえる。
研究分析について、本年度は加賀藩江戸藩邸に関する史料を用いて分析を進めており、金沢城二の丸御殿に関する研究を含め、加賀藩前田家の奥向き御殿を総合的に検討する見通しを立てられ、こちらも順調に進められているといえる。
以上から、現在までの達成度としては、「おおむね順調に進展している」と判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
○国内での史料調査の継続：平成25年度に引き続いて、金沢城、加賀藩江戸藩邸の各種絵図史料や文献史料について、財団法人前田育徳会などで継続して史料収集を行う。取り寄せで複写が入手可能なものについては、取り寄せでまかなうこととする。
○海外での史料調査：これまでに収集した絵図史料や文献史料を拡充するために、海外に所属されている各種絵図や関係史料について、史料の把握を行う。可能であれば、収集も行うこととする。調査は1名で行い、2週間程度の滞在を1回程度予定している。
○上層武家住宅における女性の生活空間についての総合的検討：大奥については、これまでの研究成果を踏まえ、新たに収集した史料を加えた上で、実態とその変遷について考察する。金沢城及び加賀藩江戸藩邸の奥向きについては、これまで個別に検討してきた項目を総合して実態について考察する。最後にそれぞれで得られた分析結果を比較し、その上で、近世の上層武家住宅の女性の生活空間の特質を明らかにする。さらに、研究分析の結果を、各種学会の研究報告会、論文等で随時報告する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記した通り、本年度の調査は、海外調査を予定していることから、為替レートの変動の影響を受けることが考えられる。また消費税の増税により、当初より予算が増加することが予想される。そこで、若干ながら、可能な限り予算を次年度にあてることとした。
次年度使用額を含めた次年度の研究費の大部分は、今年度同様に、史料調査の旅費、書籍購入費に充てることを予定している。また、必要に応じて、調査機器の更新のための費用に充てることを予定している。
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