2015 Fiscal Year Annual Research Report
女性の生活空間としての江戸城本丸御殿大奥および大名屋敷にみる空間構成の実態と変遷
Project/Area Number |
24760517
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 佐智子 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 東工大特別研究員 (20614126)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 加賀藩 / 上屋敷 / 金沢城二の丸御殿 / 奥向 / 空間構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大名屋敷における女性の空間の実態と空間的変遷を明らかにすることを通して、上層武家住宅の女性の生活空間の特質について新たな知見を提供することを目的にしている。 具体的には、大名屋敷の一典型である金沢城二の丸御殿や加賀藩江戸上屋敷を取り上げ、女性の生活空間を対象に部屋構成、付属する設備空間、室内意匠から空間構成を検討してきた。それにより、加賀藩本郷上屋敷に徳川将軍の娘が大名に入輿する場合に建設された、将軍の娘の居住空間である「御守殿」は姫の逝去に伴い撤去されたにも関わらず、格式の高い座敷飾や室内意匠を備え、複数の部屋を用途ごとに使い分け、一定の規範の基に建てられていたことを明らかにした。またこれらは、藩主の家族の居住空間である「御本宅」との違いから、江戸城御本丸大奥や金沢城二の丸御殿の奥向の空間構成との関連などの一定の知見も得た。 なお、延長させて頂いた今年度は、上記の研究成果の一部を、日本建築学会近畿支部研究発表会等において報告を行った。
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