2012 Fiscal Year Research-status Report
近代神戸における元三田藩士の土地所有実態と都市形成に関する研究
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24760527
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
水島 あかね 明石工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90454769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神戸 / 近代 / 都市形成 / 土地所有 / 土地台帳 |
Research Abstract |
本研究は、元三田藩士である小寺泰次郎が所有していた土地に着目して、近代神戸の都市形成過程の一端を明らかにすることを目的としている 今年度は、主に1)近代神戸の都市に関する資料および三田藩や小寺家に関する資料収集、2)土地情報の入手をおこなった。 1)明治・大正期に発行された新聞記事の中から三田藩、小寺家に関する記載のあるもの、小寺家や九鬼家に関する記載のある書籍及び近代神戸の歴史に関するものを中心に資料収集をおこない、三田藩・小寺家に関する年表を作成した。また、明治期以降の三田藩や小寺家の神戸での動きや評価などの整理をおこなった。 2)神戸地方法務局に保管されている旧土地台帳のうち、雑居地山麓部にあたる神戸市中央区中山手通、下山手通、北長狭通の範囲を対象に九鬼家及び小寺家の所有記録が記載があるものを全て収集した。耕地整理などにより現在の地番と一致しないものが数多く見られるため、現在、その照会作業を進めているところである。 次年度は土地情報のデータベース化を進め、得られたデータと作成中の地図情報を重ね合わせ分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年度は、1)近代神戸の都市に関する資料および三田藩や小寺家に関する資料収集、2)土地情報の入手、3)データベース作成、4)ベースマップの作成を予定していた。 1)の資料収集は予定通りに収集できている。2)の土地情報については予定していた山麓部の中山手通、下山手通、北長狭通の範囲の土地台帳データを入手することができた。3)のデータベース作成及び4)のベースマップ作成についてはやや難航している。土地台帳の地番と現地番が一致しない箇所が多く見られ、当該地区において耕地整理等が行われていた可能性があることが分かった。現在その照会を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、今年度に引き続き三田藩および小寺家に関する資料の収集を進めるが、特にその資料の読み込みに重点をおく。また資料等から得られた情報を元に、三田藩や小寺家に関する年表を作成する予定である。 2012年度に入手した旧土地台帳に記載されていた地番と現在の地番を比較し、一致していない箇所については適宜法務局の担当者と相談をして照会作業を進める。必要に応じて現地調査を行う予定である。現在の地番に置き換えたデータを用いて、データベースの作成を行う。データベースにより整理された土地情報とベースマップをGISにより重ね合わせる。年表等による時代背景を考慮し、小寺家を中心とする三田藩が近代神戸の都市形成に与えた影響についての分析・考察を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としては、今年度得られたデータをGISソフトを用いて解析を進めるために必要な基盤となるGIS地図データやそのデータ処理が可能なシステム等、消耗品としては、データバックアップ用のHDD・DVDR及び印刷用のインクや紙等に用いる予定である。 旅費としては、8月に北海道にて開催される日本建築学会大会の報告を行うので、航空機代や宿泊費に用いる予定である。 諸金は、データ入力補助者に支払う予定である。
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