2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24760539
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
新田 紀子 高知工科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80412443)
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Keywords | 電子照射 / イオン照射 / ナノ結晶 / ナノ構造 / バリアント / 電子顕微鏡 / 集束イオンビーム |
Research Abstract |
化合物半導体GaSb(アンチモン化ガリウム)、InSb(アンチモン化インジウム)単結晶に低エネルギー(125 keV)の電子線を100℃以上で照射したとき、内部に結晶方位のそろったナノサイズの微結晶が形成されることを新しく見出ている(N. Nitta et al., Philosophical Magazine Letters 91 (2011))。このナノ結晶の形成メカニズムの解明および他の系の探索が本研究の目的である。加えて半導体中のナノ結晶は、バルクとは異なるエネルギー準位を持ち、新しい発光特性を示すことが期待されるが、現在のところナノ結晶のサイズ制御はできていない。本研究では、発生するナノ結晶のサイズと電子線照射条件との関係を調べ、サイズ制御方法を検討する。さらにその発光特性について調べ、新しい光デバイス創製をめざす。 平成25年度は、GaSb、InSbに対して他の粒子線(イオンビーム)を照射した場合の効果を調べた。GaSb、InSbに集束イオンビームを用い、照射量、加速電圧、照射温度、照射材料の形状を変化させ照射実験を行った。イオン照射した表面に多孔質構造の形成を確認した。照射量が多く、加速電圧、照射温度が高く、薄膜よりバルク試料ほど表面に大きなサイズの多孔質構造が形成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
電子照射するときに使用する電子顕微鏡の真空度が高い(10-5Pa程度)とナノ結晶が形成されないことが判明した。高知工科大学では高真空の電子顕微鏡しか保有しておらず、平成25年度は電子照射の代わりにGaSb、InSbに対してイオン照射実験を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、他大学にて、低真空での電子照射実験を行うとともに、平成25年度に引き続きイオン照射実験を行う予定である。それによりGaSb、InSbにおける粒子線照射効果を明らかにし、ナノ結晶形成メカニズムの解明に新たな知見を加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試料の購入数が少なかったため。 成果発表において、国際学会に参加しなかったため。 試料を購入予定。 成果発表において、国際学会に参加予定(2015年3月TMS2015@Frolida)。
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Research Products
(5 results)