2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属固溶体中における軽元素の固溶限と拡散性を計測する新たなメソドロジーの確立
Project/Area Number |
24760540
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
関戸 信彰 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (10462516)
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Keywords | 金属物性 / 軽元素 / 固溶度 / 拡散 |
Research Abstract |
持続可能な社会を構築するためには、構造用金属材料分野における希少金属使用量を低減する技術が求められている。B、C、Nなどの軽元素は、資源として豊富であり、金属材料中の格子欠陥や他の固溶元素と強く相互作用するため,微量添加で材料の力学特性に大きな影響を与える。もし、軽元素の挙動をより詳細に理解し、制御することが出来れば、希少金属を使わずに同等の材料特性を引き出すことが可能となり、希少金属使用量削減に貢献できる。しかしながら、軽元素は局所領域での定量分析が困難であり、固溶限が低い場合は適用できる手法に限界があるため、金属固溶体中おける固溶限といった基礎的な熱力学データですら信頼性に欠く現状である。以上の背景から、本研究では金属固溶体相中における軽元素の固溶限を計測する新たな手法の開発を目的とした。固溶限が既知の材料を用いたケーススタディーを行い、手法の適用性・妥当性を検討した。 本手法の骨子は、まず金属基材表面にBあるいはCを蒸着し、それらを内方拡散させ、グロー放電発光分光分析(GD-OES)で深さ方向の濃度を計測し、濃度プロファイルから固溶限を求めることである。比較的研究データが充実しており、状態図が簡素であるNi-C二元系において、本手法の有効性を検討した結果、計測したNi中におけるCの固溶限を過去のデータと一致しており、本手法が固溶限の決定に有効であること確認した。この結果を受け、本手法をPt-C系、Pd-C系に適用して、現在までに報告例のないPt中におけるCの固溶限を決定することができた。
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