2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸素四面体を基本構造とする環境親和型強誘電体の新規開発
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24760543
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷口 博基 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80422525)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 誘電体 / 構造相転移 / 酸素四面体 / セラミックス / 強誘電体 / 焦電体 / 酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実施計画に沿って、酸素四面体を基本構成要素とする新規経誘電性酸化物物質系の創出に取り組んだ。具体的には、前年度に引き続き充填トリジマイト型酸化物であるBaCoSiO4における光誘電率効果の研究と、充填アルミネートソーダライト型酸化物であるCa8(Al12O24)(WO4)2-Sr8(Al12O24)(WO4)2固溶体系の相図作成および物性測定を行った。 BaCoSiO4における研究では、前年度に見出した光誘電率効果のメカニズム解明に向けて、主に光吸収測定によるバンドギャップの評価と第一原理計算によるバンド構造の評価を実施した。その結果、光照射によって強く局在化したコバルトのd軌道へ励起された電子が、BaCoSiO4の光誘電率効果において重要な役割を果たすことを示す結果を得た。本成果は、Journal of Applied Physics vol.115 (2014) 164103において公表した。 またCa8(Al12O24)(WO4)2-Sr8(Al12O24)(WO4)2固溶体系の研究においては、SPring-8を用いた粉末X線回折実験によって、X線回折パターンの温度変化を詳細に計測することで、正確なCa8(Al12O24)(WO4)2-Sr8(Al12O24)(WO4)2固溶体相図を得た。また、焦電測定及び誘電率測定によって得た焦電係数及び誘電率の値より、本系の赤外線センサとしての性能指数を見積もった。その結果、充填アルミネートソーダライト型酸化物が現行のPZTに匹敵する性能を有することが明らかになった。この成果は、2015年度日本物理学会年次大会において口頭発表し、現在論文執筆中である。
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[Journal Article] Hierarchical dielectric orders in layered ferroelectrics Bi2SiO52014
Author(s)
Y. Kim, J. Kim, A. Fujiwara, H. Taniguchi, S. Kim, H. Tanaka, K. Sugimoto, K. Kato, M. Itoh, H. Hosono, and M. Takata
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Journal Title
IUCrJ
Volume: 160
Pages: 1
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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