2013 Fiscal Year Annual Research Report
ベナール対流を利用した新規な酸化物薄膜パターニング技術の開発
Project/Area Number |
24760554
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
内山 弘章 関西大学, 化学生命工学部, 助教 (10551319)
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Keywords | 自己組織化 / ゾル-ゲル法 / パターニング |
Research Abstract |
本課題では、「べナール対流を利用した新規な酸化物薄膜のパターニング技術」の確立を目指して研究を行った。H25年度は、ゾル-ゲルで作製されるTiO2薄膜を対象として、「べナール対流によるセル状パターンの形成」に「コーティング液の表面張力」が与える影響の調査を行った。表面張力が比較的低い2-プロパノール(表面張力:22.9 mN/m)を溶媒とするアルコキシド溶液に表面張力が高い液体成分としてプロピレングリコール(表面張力:38.6 mN/m)を滴下することで、表面張力の異なるコーティング液を調製した。このコーティング液から薄膜を作製した結果、「コーティング液の表面張力」が増大するとともにべナール対流による溶液の流動が促進され、膜表面に生じるパターンの高低差が増大することが分かった。従来のコーティングではパターンの高低差は膜全体の厚さの半分程度が限界であったが、表面張力の大きい液体を添加することで膜厚とほぼ同程度の深さのパターンが得られることが分かった。また、「セル状パターンを有する薄膜」の「親水性・撥水性」についても合わせて検討を行った。「セル状パターン」を薄膜表面に付加することで、膜の親水性がより強調されることが明らかになった。 以上のH25年度に得られた成果を取りまとめ、国内学会において1件の口頭発表と1件のポスター発表を行った。 期間全体を通じて、「コーティング時の温度」および「コーティング液組成」の制御によって、「べナール対流によって生じるセル状パターン」のサイズ・配列性がコントロールできることが明らかになった。これらの結果は、「自己組織化を利用した新規な酸化物薄膜のパターニング技術」の確立を目指す上で、重要な知見である。
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Research Products
(9 results)