2013 Fiscal Year Annual Research Report
CVD表面修飾粉体の急速加熱焼結による緻密ダイヤモンドベース複合体の合成
Project/Area Number |
24760558
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
且井 宏和 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70610202)
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Keywords | ダイヤモンド / 放電プラズマ焼結 / シリカ / 炭化シリコン / 化学気相析出 / コンポジット / コアシェル構造 |
Research Abstract |
緻密なダイヤモンド多結晶体を得るためには、GPaオーダーの超高圧環境が必要とされてきた。本研究では、化学気相析出(CVD)を利用した粉体コーティング技術と放電プラズマ焼結(SPS)法を組み合わせることにより、緻密なダイヤモンド基コンポジットの合成プロセスを構築する事を目的とした。 平成25年度は、前年度までに確立した回転CVDによるSi系セラミックス膜の粉末表面修飾プロセスを用い、ダイヤモンド粉末表面をSiCやSiO2のナノ膜でコーティングし、ダイヤモンド/SiC(SiO2)のコアシェル構造のコンポジット粉末を合成した。まず、回転CVDプロセスにおける成膜温度や炉内圧力、反応ガスなどの成膜条件が形成相、微細組織や膜厚などの膜構造に及ぼす影響を精査した。CVD原料にはHexamethyldisilaneを用い、成膜温度が965-995 K、炉内圧力が400 Paで10-100 nmの非晶質SiC膜でダイヤモンド粉末表面を被覆でき、コア(ダイヤモンド)/シェル(SiC膜)構造のダイヤモンド基コンポジット粉末を得た。 このダイヤモンド基コンポジット粉末をSPSにより焼結体を合成した。ダイヤモンド粉末単体を焼結した場合、約1700Kでグラファイトへ相変態し、この温度領域では緻密な焼結体は得られない。一方、本研究で作製したSiCのナノ膜で被覆したダイヤモンド基コンポジット粉末は1873 Kでも相変態しなく、ダイヤモンド単体に比べて150 K以上の高温焼結を可能にした。本研究では、このダイヤモンド基コンポジット粉末にSiO2を混合してSPS焼結することで、相対密度が95%以上の緻密で、ビッカース硬さが35 GPa以上を有するダイヤモンド基焼結体を作製することに成功した。
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Research Products
(8 results)