2013 Fiscal Year Annual Research Report
高強度・高靭性ひずみ硬化型セメント複合材料の開発と評価
Project/Area Number |
24760565
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊田 貴恒 日本工業大学, 工学部, 助教 (20599055)
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Keywords | 建築構造・材料 / 社会基盤材料 / 繊維補強セメント複合材料 / 一軸引張試験 / 鋼繊維 / 化学合成繊維 |
Research Abstract |
ハイブリッド型FRCC(Hybrid Fiber Reinforced Cementitious Composites,以下HFRCC)は組合せる繊維の複合効果によっては、単独繊維の混入では得られない優れた靭性を有しており、引張応力下において微細なひび割れが多数生じることで疑似ひずみ硬化挙動を示す。疑似ひずみ硬化挙動には、補強繊維の繊維物性、組合せおよび混入率やマトリクス調合など多くの影響因子が考えられる。そこで本研究では、補強繊維の複合化や混入率、繊維物性の違いおよびマトリクス調合などに着目して、より優れた疑似ひずみ硬化挙動を引き起こす補強繊維の複合効果を解明することを目的として一軸引張試験を行い、HFRCCの高強度・高靭性化に関する実験的検討を行った。 実験の結果、高強度・高靭性HFRCCの引張特性に及ぼす影響因子として、水結合材比と鋼繊維が支配的であること、水結合材比が低いすなわちマトリクス強度が高いほど、鋼繊維が引抜ける際により高い応力が伝達して、鋼繊維のもつ架橋力が発揮されるため、より優れた疑似ひずみ硬化挙動を示し、高い引張強度と最大荷重時ひずみを実現できること、ひずみ軟化域においては、水結合材比が低すぎると脆性的な破壊挙動を示すため、鋼繊維混入率を増加させて伝達される高い応力を分散させることで、高強度かつ高靭性なHFRCCが開発できることなどが明らかとなった。 また、100mm四方の角柱試験体を用いて、大断面の一軸引張試験を実施したところ、試験体両端部の拘束条件をより弱めた(両端共にフリー)方が、試験体内部での自律的な応力の再配分が起こり、材料性能をより適切に評価可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)