2013 Fiscal Year Annual Research Report
電気分解堆積法を用いたイオントフォレシス電極の創製
Project/Area Number |
24760570
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 朋彦 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (50452016)
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Keywords | イオントフォレシス / 経皮吸収 / DDS |
Research Abstract |
本研究では、電圧をかけて皮膚・粘膜から薬剤を体内に導入するイオントフォレシス用電極の開発を目的とする。当該電極には、薬剤(麻酔剤、慢性疾患用薬剤)を多量に担持し、皮膚や粘膜と安定に密着する特徴が求められる。一方で、電極内抵抗を制御して電場に応じて薬剤を送達できる電気化学的特性も必要とされる。そこで基材電極と薬剤担持ハイドロゲル層から構成される電極を、電気分解堆積法を用いて作製し、薬剤を高効率に体内に輸送できる界面制御技術を確立する。 昨年度は、電気化学的反応を利用して種々の金属表面にアルギン酸のハイドロゲルを形成させ、新規のイオントフォレシス電極を作製した。本年度は、作製した電極をポテンショスタットに接続し、周波数応答アナライザによって測定信号を解析した。周波数範囲を0.1 mHzから32 MHzまで測定したところ、金属にアルミニウムを用いた場合でナイキストプロットに半円弧が見られた。これはアルミニウム表面の酸化物によるファラデーインピーダンスと考えられる。このため、表面酸化物によってアルギン酸が強固に結合したものと考えられた。 さらに作製した電極に、麻酔薬であるリドカインを担持させ、薬物経皮吸収のモデルセルを用いて電場下での薬物放出挙動を評価した。皮膚モデルとしてセロファン膜を用いた。リドカインは、電極から電圧依存で放出されセロファン膜を透過することを確認した。 同様のセルを用いてラットから採取した皮膚を用いて、皮膚と電極界面の交流インピーダンス測定を行った。その結果、ラット皮膚-電極の等価回路モデルを構築することに成功した。周波数を330 Hz~530 Hzとした際に、皮膚角質層に効率的に電圧が印加されることが明らかとなった。このため、作製した電極は交流イオントフォレシスへの応用が期待された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] AC Iontophoresis of Lidocaine with Alginic-Acid Gel Electrodes2013
Author(s)
Tomoko Ebisawa, Katsuhiro Matsumoto, Atsuhi Nakajima, Haruka Haida, Shizuka Ando, Tomohiko Yoshioka, Toshiyuki Ikoma, Junzo Tanaka, and Haruhisa Fukayama
Organizer
The 4th International Symposium on Advanced Materials Development and Integration of Novel Structured Metallic and Inorganic Materials (AMDI-4)
Place of Presentation
名古屋大学
Year and Date
20131214-20131214
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