2012 Fiscal Year Research-status Report
ジェットエンジンタービンブレードの金属組織学に基づく余命推定技術の確立
Project/Area Number |
24760589
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
三浦 信祐 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 准教授 (60546167)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
当該年度は本研究の試験片となる実機使用した第一段高圧タービンブレードを入手,実験試料としての適用材の選定を行った.30個のブレードについて,ブレード先端部の研磨を,機械研磨機を用いて行い,鏡面仕上げにした後,X線ラウエ背面反射法を用いて方位解析を実施した.その後,ブレード先端方向への方位が[001],ブレードのリーディングエッジとトレーリングエッジを結んだ線を基準とし,二次方位である[100]の方向を3種類選定し,当該研究試料として決定した.各試料は,基準線と平,基準線から反時計方向に23度および43度回転している.選定ブレードを放電加工機を用いて(001)と平行に先端から付け根部へ向けて,均等に8分割した.さらに分割した試料について,(100)と平行に,リーディングエッジからトレーリングエッジにかけて,6等分に切り出した.各ブレード切断試料の先端,中央部,付け根部を先行して,エポキシ樹脂に埋め込んだ後,(001)および(100)両面を機械研磨にて鏡面仕上げとした.各試料の大きさに合わせ,電解腐食条件を選定した後,電解腐食を行って,母相であるγ相を溶解した.なお,研磨器材は従来装置にて実施したものの,老朽化した腐食機器の不調により,最終試験片表面状態が異なっているため,平成25年度早期に腐食機器を購入して,再度表面調整を行う予定である.現在,走査電子顕微鏡を用いて,基準線と平行な試料(以降0度試験片と呼ぶ)について,各断面,各部位の表面近傍から冷却孔内部に向けての組織観察を終了している.その結果,部位によって強化相であるγ’相は初期形状である立方体状が失われている部位が多数存在し,応力負荷履歴を示すラフト構造を形成していることが明らかとなった.その形成方向はブレード長て方向に対して垂直および平行方向が混在し,複雑な応力負荷環境にあることが金属組織学的に明示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現状,申請時に記述した平成24年度の研究実施計画とほぼ同内容の進捗状況となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にて予定している通りに実験,研究が進捗しており,平成25年度にも研究計画調書に基づいて,研究を推進する予定である.なお,ブレード表面状態と内部組織との関連性についても注目する必要性を感じ,表面状態も記録した上で,金属組織と比較検討を実施する.また,今後,得られた結果について,各学会等での学会発表,論文発表を積極的に進め,国内外の研究者,技術者と研究結果に関する議論を行い,研究推進のための必要な情報収集をしていく計画である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度繰り越しが生じた理由: 購入希望を予定していた電解エッチング装置のモデルチェンジ予定,またPCのOSが更新時期に当たることを事前掌握ができたため,本年度に繰り越すこととしたため. 研究費使用予定: ○ブレード表面状態記録用デジタルカメラ,接写装置購入 500,000円 ○試験片腐食用の電解エッチング装置購入 400,000円 ○画像解析用PCおよびソフトウエア 400,000円 ○試験片研磨関連消耗品 200,000円 □学会発表旅費 500,000円 □国内学会参加費 50,000円 □国際会議参加登録費 150,000円 ■論文投稿および英文校正費 100,000円
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