2013 Fiscal Year Research-status Report
可動双晶界面導入によるマグネシウム合金の高制振性と高強度を両立する技術の創製
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24760591
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 云平 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (80546862)
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Keywords | Mg alloy / Damping / cold working / hot forging / annealing / EBSD / TEM |
Research Abstract |
押出AZ31マグネシウム合金の集合組織による制振性の変化を調べた。結果により、加工を加えない状態においてAZマグネシウム合金の制振性が集合組織に強くよらないことが分かる。 合金を押出方向に沿って2-10%の冷間加工或は高速熱間加工を加えた時、試料内部において多量の{10-12}系双晶の形成に伴い、合金の制振性の増加も明らかにみられた。然し、加工率が高過ぎる(8%以上)と、転位密度が高すぎるほか、双晶界面も安定になるかもしれないため、合金の制振性も大幅に低下する。特に、加工後に適当な熱処理(250℃前後、30分ぐらい)を加えると、制振性が更に大幅に増加することが分かった。一方、前述した結果と比較するために、低速高温加工後の試料では主に転位すべりによる変形され、双晶形成が少ない、それに伴い、合金の制振性も低下する事が観察した。双晶界面導入後、制振性の増加率が試料振動ひずみの低い場合においては明らかでないが、振動ひずみが高くなると制振性の増加率が高くなることが観察された。これらの結果は双晶界面と転位移動必要な応力レベルの違いによるものであるかと考えている。 透過電子顕微鏡なとの観察により、熱処理後の双晶界面における転位密度の低下が見られ、それにより双晶界面の移動性が向上されるともに制振性も上がると考えられる。また、EBSDの場観察により双晶界面の移動を定量的な評価を行い、双晶界面移動と制振性の関係はまた定量的にまたわからないが、増加した制振性が双晶界面と関係していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において平成24年度では加工プロセスで一般産業用AZ31マグネシウム合金に可動双晶界面導入による制振特性向上機構解明について加工条件を変化させた系統的な評価はほぼ完成してり、双晶界面移動による制振性向上が分かる。平成25年度では材料振動を模擬するための繰り返し変形過程における双晶界面の移動をその場観察による組織の評価、更には熱処理で加工組織における転位密度の調節により制振特性変化機構の解明を行う。双晶導入材を熱処理して制振性の測定と微細組織観察を行い、計画通りに完成している。場観察による各変形状態における微細組織の観察においては長時間で電子ビームに照射された場合、試料片表面が焼きされてしまい、試料表面の観察が失敗しやすい。短時間スキャン(繰返し数少ない場合)した場合は実験の再現性が表れ、双晶の移動性が確認できた。今度はまた実験条件(電圧、スキャン時間、試料表面研磨)を最適に調節し、繰返し数を増やして双晶界面の変化に関する観察を挑戦してみる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は前述したとおり実験条件(電圧、スキャン時間、試料表面研磨)を調節し、双晶界面導入後サンプルを弾性変形領域から高ひずみまで、長時間繰返し過程において双晶界面の移動をEBSD場観察により評価を行う。また、今年度で場観察装置の改造もする予定である。平成26年度は計画の通り、各条件と熱処理において双晶導入後純マグネシウム,AZ61,AZ91合金の制振性変化を詳細的に調査し、合金元素の量変化した場合に制振性への双晶界面の影響を調べる。また異なる条件の加工と熱処理において各合金の制振性変化を調査する。EBSDとTEMによる微細組織観察を行い、合金化の影響を調査する。これらの結果に基づいて各合金において制振性に対して双晶界面の影響を定量的に評価をする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
EBSDにより場観察の実験が何度もうまくいかないため、今年度では上記の実験条件の最適化の他に、装置の改造も行う予定です。今年度EBSDによる沢山のデータが得られ、今共用されているソフトウェアが使用人数が多い、データの詳細解析が足りなくなる。双晶界面移動を解析するためにEBSD回析ソフトウェアの購入をする予定もある。また、これらの結果発表に伴う旅費及び微細組織観察用消耗品の費用も今年度に乗り越しする。 EBSDにより場観察引張装置の改造により双晶界面導入後に異なるひずみレベルにおいて繰返し変形過程における双晶界面の移動を詳細に調査する。それに伴う結果を国際会議で公開する発表と今作成している論文の英文校正に使用予定である。
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