2013 Fiscal Year Annual Research Report
画像再構成法による非軸対称溶接アークの三次元温度計測
Project/Area Number |
24760600
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 和史 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90397729)
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Keywords | アークプラズマ / ティグ溶接 / 分光計測 / 非軸対称 / 画像再構成 / 干渉フィルタ / CCDカメラ |
Research Abstract |
本研究は,非軸対称アークプラズマの三次元的な温度分布測定を目的としている.そのためには発光分光法を用いるが,多方向計測と画像再構成法によるトモグラフィー技術が必要である.昨年度までは多方向計測手法として1つのCCDカメラによる回転光学系を採用し,適切な検出方向の検討など,装置や再構成手法の改良を行った.しかしこのような回転光学系では,計測に時間を要するため非定常なアークプラズマへ適用できない.近年研究が進められている溶滴移行を伴うようなガスメタルアーク現象の計測は非定常現象である.現状ではこれを軸対称現象として計測されているが,元来非軸対称となる諸現象も多い.そうした非定常・非軸対称なアークプラズマ現象の計測には多方向同時計測手法が必要である. 本年度は多方向同時計測を実現するため,CCDカメラを複数台用いた計測装置を構築した.回転光学系とは違い検出器が複数となるため,各カメラの較正が必要となる.単一波長を取り出すための狭帯域干渉フィルタは,その中心波長較正をフィルタの傾斜によって行った.カメラ個々の感度較正は静止TIGアークを撮影することで行った.また,スミアの発生を防ぐためNDフィルタを併用して露光時間を調整した.このようにして構築した計測装置を傾斜したパルスティグアークの計測に適用した.電流パルス波形を元にしたトリガを発生させカメラに導入し,トリガからの遅延時間を調整することでピーク電流からベース電流に移行する間でのアークプラズマの発光強度分布と温度分布を計測することができた.例えば,150Aから10Aへ50Hzで移行する中での各電流値を通常の静止傾斜ティグアーク用いたものと比較すると殆ど違いがなかったことから,この条件でのアークの変化は電流に追従することなどが示された.以上のことなどを国際会議や国内の学会・報告会などで発表し,論文を投稿した.
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