2013 Fiscal Year Annual Research Report
テーラードテクスチャリングによるマイクロ精密異形プレス加工のメゾトライボ特性制御
Project/Area Number |
24760609
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 徹英 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教 (70614543)
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Keywords | 精密プレス加工 / トライボロジー / テクスチャリング / ダイヤモンド状炭素膜 / マイクロ金型 / その場観察 / 摩耗粉 |
Research Abstract |
本研究では,「マイクロプレス加工特有」の接触環境下における,微細テクスチャ形状・寸法と摩擦摩耗特性との関連性を明らかにすることで,マイクロ精密プレス加工における金型の複雑な面圧分布に対して最適な微細テクスチャ形状を配置し,そのトライボロジー特性の制御を図るものである.これに対し本年度は以下の成果が得られた. 1.テクスチャ構造間隔が及ぼす影響の解明:高速度カメラにより摩擦試験中の摺動面その場観察を行い,構造間隔の増大に伴うテクスチャ構造の摩耗促進に起因して摩擦抵抗が増大することを明らかにした.これらが,テクスチャ構造エッジ部への面圧過負荷に起因することを,FEM解析により明らかにした. 2.テクスチャ構造幅が及ぼす影響の解明:1GPaレベルの面圧に対するヘルツの接触半径を基準に,テクスチャ構造幅を決定し,そのトライボロジー特性を評価した.その結果,接触半径内に複数のテクスチャ構造を配置することで,摩耗粉排出効果が促進され摩擦の掘り起こし項の低減が図られることを明らかにした. 3.その場観察型マイクロハット曲げ試験機の開発とテクスチャリング効果の解明:マイクロ成形中の接触界面のその場観察が可能な順送型マイクロハット曲げ試験機を開発した. これにより,順送プレス行程における加工回数の増大に伴う接触界面の推移を観察可能となった.本装置を用いた検証により,テクスチャリングによる摩耗粉排出効果を実加工接触環境下で実証した. 4.マイクロ深絞り工程の接触長さ・面圧分布に基づいたテーラードテクスチャリングの提案:FEMによりマイクロ円筒絞り過程における接触長さおよび見かけの接触面圧の推移を解析した.その形態として金型ダイ肩半径部を四部位に区分し,各々の接触面積・面圧に適したテクスチャ構造の配置設計を掘り起こし抵抗の低減および摩耗低減の観点より提案した.
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