2013 Fiscal Year Annual Research Report
水素吸蔵合金のマイクロ構造変化のオンサイト可視化および容器変形現象の解明
Project/Area Number |
24760619
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 泰洋 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50621033)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / マイクロX線CT撮影 / La-Ni / Ti-Fe / 微粉化 |
Research Abstract |
本研究では,前年度に選定したTi-Fe系水素吸蔵合金の充填層を対象に,水素吸放出前後における充填構造の三次元像をX線CT装置により撮像した.これによりTi-Fe系合金充填層内で生じた三次元的な構造の変化を鮮明に捉えることができた.Ti-Fe系合金の充填層では,水素を一度吸蔵した後においても充填層を構成する粒子の大きさはほとんど変化しなかった.水素吸蔵前の充填層と比較して,吸蔵後の充填層においては粒子間の間隙がより狭くなった.また,水素吸蔵後における充填層を構成するTi-Fe系合金の粒子の内部には細かいひびが生じているもの形状を保持していた.一方,Mm-Ni系合金の充填層では水素を吸蔵したことで元の粒子と比較して細かく微粉化した粒子が充填層内に現れ,充填構造が著しく変化していた.したがって,充填層内での微粉化の様子は合金種によって異なり,この差異が水素を吸放出した際の充填構造の変化に影響を及ぼすことが観察結果から示された. また,X線CTによって得られた三次元像を定量的に評価するため,粒子充填層の三次元像から充填層に含まれる粒径の分布を抽出するためのプログラムを独自に開発した.本プログラムでは,三次元像の二値化,収縮による前処理およびWatershed法による3次元像の分割を行った.Mm-Ni系合金の充填層を対象に開発したプログラムを用いて粒径分布を抽出したところ,水素を吸蔵する前の充填層から得られた粒径分布に対して吸蔵した後の充填層から得られた分布は全体として粒径の小さな側にシフトしており,水素の吸蔵が充填構造の変化に及ぼす影響を定量的に評価することが可能であることを示した.
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