2013 Fiscal Year Annual Research Report
エタノール選択透過用多孔性配位高分子ZIF-8膜の開発
Project/Area Number |
24760620
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮本 学 岐阜大学, 工学部, 助教 (60538180)
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Keywords | 膜分離 / 浸透気化 / metal organic framework / ZIF-8 |
Research Abstract |
ZIF-8膜の緻密化を目的として,支持体への種結晶塗布方法を検討した。スリップコーティング法を用いて種結晶を塗布し,洗浄工程を経ることで支持体上へ均一な種結晶塗布が可能となった。種結晶塗布後,二次成長法により製膜を実施した。二次成長には環境負荷低減を目的とし,有機溶媒の代わりに水溶媒により方法を選択した。二次成長条件として,合成温度および合成時の昇温速度について検討した。合成温度,昇温速度ともに膜の緻密性に影響するが,昇温速度は製膜性に強く影響する結果となった。得られた膜の膜厚は数μmであり,膜厚を大きく低減することができた。膜の透過性能を各種無機ガスを用いたガス透過試験にて評価したところ,ガス透過速度は大きく向上した。これは薄膜化が強く影響したものと考えられる。一方,選択性については,クヌーセン拡散をわずかに超えていたことから,緻密性は向上したものの未だ細孔よりも大きな微細な欠陥が存在しているものと思われる。次に,エタノール:水=50:50の条件で浸透気化性能を評価したところ,前年度と同様に水が選択的に透過したが,薄膜化によりその透過速度は大きく向上した。ZIF-8は分子の吸着により有機配位子(2-メチルイミダゾール)が回転する(Gate-opening効果)。液相での分離に用いた場合,Gate-opening効果によりZIF-8の疎水性が低下し,分子径の小さな水の拡散が促進されたものと予想される。
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