2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760621
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 幹生 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60444650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 混合状態評価 / 超音波透過特性 / 3次元混合情報 / 複合材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
複合材料分野において微小粉体の均質混合が達成できれば,異種成分の界面量が飛躍的に増加するため,弾性率,熱変形温度等の諸物性が大幅に向上することが知られている。しかし,粉体は液体とは異なり,非常に「混ざりにくい」性質を有するので,その混合状態評価は重要となる。これまでの混合状態評価法には,画像処理法や電気抵抗値測定法がある。しかし,これらは3次元評価が困難であることや,異種界面での電流の直線進行性の低さから混合状態の解析が困難な場合があるため,新たな評価方法の確立が求められている。そこで,我々は透過超音波の利用に着目した。なぜなら,超音波は非破壊で利用できるため3次元評価が可能なだけでなく,異種界面での直線進行性が高いためである。また,超音波は異種界面で減衰しやすいことが知られているため,異種界面が多い,すなわち,混合状態が良いほど超音波減衰量が大きくなると予想される。これまで超音波は反射波を用いた胎児の診断,材料内部の探傷等の評価法が既に確立されているが,透過波を利用して混合状態等を評価した例はほとんどない。そこで,本研究では,混合状態が透過超音波の特性に及ぼす影響を検討しやすくするため,複合材料の各部分をモデル化した「モデル試料」を用いて,体積割合,界面数,配列状態を変化させて検討を行った。その結果,モデル試料に対する透過波は異種界面における透過と回折によって減衰することが明らかとなり,実際の複合材料に対しては回折の減衰が支配的であることが示唆された。よって,回折による減衰量に着目することで3次元の混合状態評価が可能であると考えられる。
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