2012 Fiscal Year Research-status Report
ゼオライトナノシートを単層集積させたマイクロ反応デバイスの創成
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24760626
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荻野 勲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60625581)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 化学工学 / 触媒 / ナノシート / ゼオライト / マイクロリアクター |
Research Abstract |
ゼオライト層状前駆体(MCM-22(P)等)の層剥離により,もともと層内に存在していた大量の活性点が外表面にあらわれ,嵩高い基質がアクセスできるようになる。従って,剥離により得られたゼオライトナノシートは従来のゼオライト触媒では困難であったかさ高い基質の触媒的変換に利用できるものと期待されている。しかし、剥離されたゼオライトナノシートは再凝集しやすく、特に液相反応に応用しようとした時、問題が生じることが予想される。この問題を克服するため,本研究ではゼオライトナノシートをマイクロチャネル流路内に集積し、ゼオライトナノシートとマイクロリアクターの特徴を最大限に生かした流通系反応システム用固体触媒の合成を行うことを目的としている。 本年度は,まず既報に従いMCM-22(P)の合成、及びMCM-22(P)の層膨潤・層剥離によるゼオライトナノシートの合成を行い,得られた試料の分析を主にX線回折測定、窒素吸脱着測定により行った。次に、剥離したゼオライトナノシートの集積条件を探るため、平滑基板上へのナノシート集積を検討した。まず石英ガラス基板をメタノール/塩酸および濃硫酸により洗浄し、さらにカチオン性高分子電解質(ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウムもしくはポリエチレンイミン)とアニオン性高分子電解質(ポリスチレンスルホン酸)による表面処理を行った。そしてゼオライトナノシートを含む懸濁液を塗布し,ガラス基板を水中で超音波処理することでナノシートの集積を試みた。その結果、カチオン性高分子電解質で前処理することでナノシートが基板上に集積できることがわかった。今後さらに平滑基板での集積条件を検討した後,マイクロチャネル流路壁面へのナノシート集積を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた項目について全て検討を実施し、期待していた結果が得られている。またゼオライト層状前駆体以外の層状化合物についても,ナノシートの合成・集積について検討を開始することができた。様々な種類のナノシート材料の集積検討を通し,種々の触媒反応に対応可能な一連の材料開発ができるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降はゼオライトを含む種々のナノシートのマイクロチャネル内への集積ならびに得られた材料の性能評価を行なっていく予定である。特に,流通系での触媒試験反応を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(7 results)