2013 Fiscal Year Annual Research Report
精密温度制御による微小流路スラグ流を用いた迅速物質移動プロセスの開発
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24760627
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 宣明 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (90437244)
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Keywords | スラグ流 / マイクロ流路 / 物質移動 / 数値流体力学シミュレーション / 温度制御 |
Research Abstract |
本年度はまず,2段階で流体合流を行ったときのスラグ形成を評価した。まずCFDソフトのFluentを用いて幅1 mm,流体合流部が10 mm離れて2箇所ある流路で水相と油相のスラグ流で水相が2段階で供給される状況を設定した。1段目で水相と油相,2段目で水相が追加供給されるものとした。2回の水相供給量は等しくした。水とトルエンの物性データとVolume of Fluid 法を用いた。2段目の水相のスラグ長さは1段目のそれの2倍であった。この結果は2段目に供給した水相は1段目で生成した水相のスラグと合一することを示している。さらに実験も行った。流路の直径は1 mmで水と油相としてドデカンを使用した。実験でも同様のスラグサイズの傾向を得た。この結果から,気液スラグ流で気液反応を行い,気相のスラグが消費されるプロセスに有効であることが明らかとなった。 さらに温度を2段変化させて物資移動操作を行った場合を想定した実験を行った。物質移動のモデル系として,ドデカン中フェノールを水相抽出を行った。内径1 mmのPTFEチューブを内径1.3 mmのユニオンティの入口と出口に接続し,フェノール(1000 ppm)が溶解したドデカンと蒸留水を流した。流路出口のフェノールの抽出濃度を測定した。実験では水とドデカンの合流点から出口までの距離を0.6 m,流量比を 1:1とし,各相の流量を0.25-1.0 mL/minで変化させた。合流部を高温(40-80℃),ユニオンティを出てからが室温だと合流部が室温の場合に比べてスラグが長くなった。これはスラグ形成時の流体粘度が下がり,流体がスラグ状に切れるまでに時間がかかると考えると説明できる。物質移動速度の傾向は,高温ほどスラグが長くなり(物質移動を遅くする),粘度が下がり物質移動抵抗が下がる。このため,これらの効果が相殺し測定温度範囲内の影響は小さくなった。
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