2013 Fiscal Year Research-status Report
水熱合成による4,5,6族を用いた固体酸複合酸化物の合成
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24760635
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村山 徹 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教 (60583531)
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Keywords | 水熱合成 / 複合酸化物 / 固体酸触媒 |
Research Abstract |
4,5,6族の元素(Ti,Zr,V,Nb,Ta,Mo,W)を用いて,水熱条件下における結晶性複合酸化物の合成を行った.W-Nb,W-Ta,W-Ti,Mo-Nbの組み合わせにおいて特に高い酸性質を有する複合酸化物の合成に成功した.これら複合酸化物は,XRD測定において22度と46度に共通の回折ピークを与えること,またTEM測定よりXRD測定と一致する格子が確認できたことから積層構造を有することが分かった. フリーデルクラフツアルキル化反応において,上記の複合酸化物は高い活性を示し,W-Nb複合酸化物はグリセロール転換反応において,目的生成物であるアクロレインが74%という高い収率を達成した.またW-Ti複合酸化物はアルコールの脱水反応に高い活性を示し,例えばiso-ブタノールに対し反応温度100℃において脱水反応が進行し,0.337mmol h-1 g-1でイソブテンを与えた.また,水熱合成法を適用することにより,Nbのみからなる酸化物においても,上記の複合酸化物と類似の積層構造を有する構造体が得られた.このNb酸化物は,従来の含水ニオブ酸より高い固体酸活性を有することが分かった. 今後は,合成した複合酸化を固体酸触媒として有効活用するために,水溶液中におけるバイオマス変換反応への応用を試みる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物質合成について概ね順調に進行している.複合酸化物だけではなく,Nb酸化物やTa酸化物においても,積層構造を有する構造体が得られた.今後は,合成した複合酸化物触媒について,固体酸反応への適用を試みる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究より,合成した細孔構造を有する複合酸化物は,固体酸触媒として有効に作用し,特にバイオマス変換反応において高い活性を有することが分かった.今後も乳酸合成あるいは乳酸からのアクリル酸合成等のバイオマス変換反応を継続して検討する.また,合成した複合酸化物触媒は,種々の合成反応への応用が期待できる.合成した物質の特徴を最大限に利用するために光触媒反応,アルカン酸化反応への応用研究を遂行する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末購入のため. 当該年度にて,全て使用した.
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