2012 Fiscal Year Research-status Report
水存在下で機能する固体ルイス酸触媒を用いた糖類からの必須化学資源の合成
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24760636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 清隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (90451997)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 固体ルイス酸 |
Research Abstract |
これまで固体ルイス酸の種類はTiO2,Nb2O5に限られていたが,3-6族酸化物をスクリーニングすることにより,TiO2, ZrO2, Nb2O5, Ta2O5の4種類は有望な固体ルイス酸であることが明らかとなった.ZrO2およびTa2O5の水溶液内での酸塩基性質は同族酸化物であるTiO2, Nb2O5に類似しており,TiO2, ZrO2はルイス酸のみを持つ固体酸,Nb2O5, Ta2O5はルイス酸とブレンステッド酸を併せ持つ固体酸となった.ターゲットである3つの反応に対してこれらの固体酸の触媒活性を評価したとこと,酸化チタンに匹敵する触媒性能(乳酸収率70-80%,フルフラール収率:50-60%,HMF収率(水中反応):50~55%)を示した.一方,3族酸化物(Sc2O3)はルイス酸性質を有するが塩基性サイトを多量に含むために糖類の縮合反応を促進させ目的生成物収率が低く,溶解度は低いものの可溶性であることが確認されており,本研究には適さない. MoO3,およびWO3の場合,ブレンステッド酸を有するがルイス酸密度が低いために反応活性が低い.よって,前周期遷移金属の単純酸化物としては4族・5族の上記4種類の酸化物が適当なルイス酸触媒である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は前周期遷移金属の単純酸化物にターゲットを絞り、合成・構造解析・触媒作用の評価を進めてきた。3つの柱に対を並行して推進したことにより、予想よりも早い段階で体系的な知見を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から複合酸化物であるWO3/TiO2, MoO3/TiO2, WO3/ZrO2, MoO3/ZrO2はブレンステッド酸触媒であることが報告されている.TiO2, ZrO2が水中で機能する固体ルイス酸で有ることが明らかとなったため,これらの複合酸化物はブレンステッド酸・ルイス酸を併せ持つ固体酸であると期待できる.これらの酸化物を中心としてさらに高機能の固体ルイス酸を創出し、高効率な糖類変換反応の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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