2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760639
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺村 謙太郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80401131)
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Keywords | 高難度選択酸化 / 分子状酸素 / 光触媒 |
Research Abstract |
これまで研究代表者は高難度選択酸化を実現するためには「反応に最も適した活性酸素種」の形成が重要であると主張している.平成25年度においてはこれまで見出した触媒系の活性酸素種を明らかにするためにシリカ担持バナジウム酸化物(V2O5/SiO2)上でのプロピレンの選択光酸化と鉄ポルフィリン錯体と層状複水酸化物(LDH)の協同効果を利用したオレフィンの光エポキシ化を行った.水熱合成法を用いて調製したV2O5/SiO2は一般的によく用いられる含浸法を用いて調製したV2O5/SiO2に比べて高い活性を示した.また,含浸法では最適な担持量が0.2wt%だったのに対して,水熱合成法では最適な担持量は0.5wt%であった.この反応においては高分散担持された孤立四配位構造のバナジウム種が活性種であるため,水熱合成法では含浸法に比べてより高分散に孤立四配位構造のバナジウム種をシリカ上に安定に固定できると結論した.鉄ポルフィリン錯体とLDHの協同効果を明らかにするため,紫外可視吸収スペクトルを用いて各種の中間体を同定を行った.その結果,LDHによって鉄ポルフィリン錯体の軸配位子がClからOHへと変化し,可視光照射下で軸配位子のOHが外れてFeが3価から2価へと還元され,この錯体が分子状酸素を光活性化することを明らかにした.LDH非共存下では鉄ポルフィリン錯体の軸配位子は容易にClへと戻るため,反応が触媒的に進行するにはLDHの存在が必須であると結論した.
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Research Products
(5 results)