2013 Fiscal Year Annual Research Report
高次ナノ構造の特性を活かした機能集積型触媒材料の精密設計と応用
Project/Area Number |
24760640
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
亀川 孝 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50525136)
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Keywords | 高次ナノ構造体 / 多孔性シリカ / マクロポーラス材料 / メソポーラス材料 / シングルサイト / ナノ材料 / 金属触媒 / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究では、ナノ構造と触媒材料の反応性の関係に着目し、高次ナノ構造多孔性シリカ、すなわち、三次元規則的なマクロ細孔構造とメソ細孔構造を併せ持つ多孔性シリカを用いるエコロジカルな物質変換に適した機能集積型触媒材料の開発に取り組んだ。具体的には以下の研究を行った。(1)鋳型材料として用いる球状高分子微粒子のサイズの精密制御、種々のヘテロ原子を含有した前駆体溶液の組成・粘度の最適化を行い、Al、Ti、Cr、Fe種などの単核のヘテロ原子をシングルサイト触媒活性点としてシリカ骨格内に組み込んだ高次ナノ構造多孔性シリカの調製法を確立した。各種分光測定やガス吸着測定を通し、多孔性シリカのナノ構造と導入した金属種の局所構造を解析した。(2)各金属種に特徴的な反応(Al種では酸触媒反応、Ti、Cr、Fe種ではオレフィンやフェノール類の選択酸化反応)にて高次ナノ構造の有無による機能・特性の差異を評価し、比較的サイズの大きな反応基質が関与する系にて高い触媒活性を示すことを明らかにした。また、生成物の選択性にもナノ構造が大きく影響することを見いだした。(3) 高次ナノ構造多孔性シリカのPtナノ粒子の担体材料としての応用を試みた。高次ナノ構造の導入により、Ptナノ粒子は小さな粒子径と狭い粒径分布にて分散担持でき、水素化反応などにおいて高い触媒活性を示すことを明らかにした。以上の様に、本研究では、高次ナノ構造多孔性シリカの構造・機能・特性に基づき、高活性な触媒材料の調製に成功すると共に、多孔性材料を用いる触媒材料設計におけるナノ構造制御の有効性を明らかにできた。
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Research Products
(21 results)