2013 Fiscal Year Annual Research Report
温和な条件でアンモニア分解により水素を製造するためのバイメタル触媒の開発
Project/Area Number |
24760641
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
永岡 勝俊 大分大学, 工学部, 准教授 (90381029)
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Keywords | 水素キャリア / アンモニア分解 / 水素製造 |
Research Abstract |
本研究では、温和な条件でアンモニアを分解し、クリーンエネルギーとして期待される水素を製造可能な安価な触媒の開発を目的としている。初年度にはRu触媒の担体として、粘土状化合物であるハイドロタルサイトを焼成することで調製した高比表面積かつ高塩基性を有する酸化物が非常に有望であることを見出した。 そこで、本年度はこの触媒の活性をさらに向上させることを目指し、O2の吸着熱の観点から触媒上でのアンモニア吸着の向上に寄与すると予想されるNi、あるいはFeとRuとのバイメタル化による活性向上について検討した。まず、異種金属間での合金化の程度などの相互作用に影響を及ぼすと予想される還元温度が活性に及ぼす効果について検討した。しかし、いずれのバイメタル触媒でもRuモノメタル触媒と比較して活性の向上は見られず、むしろ活性は低下してしまった。さらに、バイメタル触媒について強塩基性酸化物であるCs2Oの添加効果について調べた。この場合、Cs2Oの添加による活性の向上は見られたものの、Cs2Oを添加したRuモノメタル触媒の活性には及ばなかった。そこで、次にRuフリーのNiモノメタル触媒を調製し、前処理温度を最適化し、種々の添加物の効果を調べたところ、ある金属酸化物を添加した場合に、Ru触媒には劣るもののNi触媒としては非常に低温の550℃でアンモニアを完全に分解できることを見出した。この添加物の塩基性はさほど強くないため、従来の塩基性酸化物から活性金属への電子供与による促進効果とは別の作用が働いたことは明白である。今後は種々のキャラクタリゼーションによりこの作用効果を解明する予定である。
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